【大人の学び直し英語】above, below, through, across, between, among, of, offなどの重要な前置詞をイメージで捉える応用編
前回の記事では、英語の「土台」となる基本的な7つの前置詞をコアイメージで学びました。基本的な使い分けが身についてくると、今度は「above と over はどう違う?」「between と among の使い分けは?」といった、さらに細かいニュアンスが気になってきますよね。
英語の表現力を一段階引き上げるには、こうした「似て非なる」前置詞の感覚を掴むことが不可欠です。
この記事は、そんな応用編。through, across, above, below, between, among など、基本的な前置詞の「次」にマスターすべき重要な単語を、同じく「コアイメージ」で徹底解説します。場所、時、方向、手段など、細かいニュアンスを正確に伝えられるようになります。
1. 上下の位置関係:「above / below」と「over / under」の違い
日本語ではすべて「~の上」「~の下」と訳せてしまうため混同しやすいですが、英語では明確なイメージの違いがあります。
「above」のコアイメージ:基準より上(非接触) ☁️
above は、「何か(基準)よりも高い位置にある」ことを示します。ポイントは「離れている」こと。真上である必要はなく、単に「より高いレベル」にあるイメージです。
The sun is above the clouds. (太陽が雲の【上に】ある。)
His score was above average. (彼の点数は平均【より上】だった。) ※抽象的な「レベル」にも使えます。
「below」のコアイメージ:基準より下(非接触) 🌊
below は above の反対で、「何か(基準)よりも低い位置にある」ことを示します。これも「離れている」ことが前提です。
The fish is swimming below the surface. (魚が水面の【下を】泳いでいる。)
The temperature is below zero. (気温は氷点【下】です。)
【ポイント】over/under との違い
- over / under: 「真上・真下」という直接的な位置関係や、「覆う」「乗り越える」という動きを伴うイメージが強いです。
- above / below: 接触や動きを伴わず、単に「基準と比べて高いか低いか」というレベル・位置を示すイメージです。
2. 動きと経路:「through / across」
どちらも「~を横切って」と訳せますが、決定的な違いは「2次元(平面)」か「3次元(立体)」かです。
「through」のコアイメージ:内部を通り抜ける(3D) 🌲...🏃...🌲
through は、森やトンネル、群衆など、何かの「内部・空間を通り抜ける」イメージです。入口から出口まで、空間の中を移動する感覚です。
We walked through the forest. (私たちは森を【通り抜けて】歩いた。)
I'm looking through the window. (私は窓【を通して】見ている。)
He got the job through a friend. (彼は友人【を通じて】その仕事を得た。) ※手段・媒介のイメージにも発展します。
「across」のコアイメージ:表面を横切る(2D) 🌉
across は、川や道、国境など、何かの「表面(平面)を横切る」イメージです。ある端から反対側の端へ、上を渡っていく感覚です。
She swam across the river. (彼女は川を【泳いで渡った】。)
There is a bridge across the road. (道の【向こう側に】橋がある。)
3. 集団の中での位置:「between / among」
「~の間に」を表す2つの前置詞。決定的な違いは「対象が明確か、漠然としているか」です。
「between」のコアイメージ:二者(または明確な三者以上)の間 🧍♂️↔️🧍♀️
between の基本は「2つのものの間」です。対象がAとBの2つにハッキリと区別されていることがポイントです。
The shop is between the bank and the post office. (その店は銀行と郵便局の【間に】ある。)
※対象が3つ以上でも、「それぞれが区別されている」場合は between が使えます。
They signed a treaty between the three countries. (彼らはその3国【間で】条約を結んだ。)
「among」のコアイメージ:不特定多数(3つ以上)の中 🌳🧍♂️🌳
among は「3つ以上の漠然とした集団・群れの中に」いるイメージです。「~に囲まれて」というニュアンスが近いです。
There is a small house among the trees. (木々【の中に】小さな家がある。)
This song is popular among young people. (この歌は若者たち【の間で】人気がある。)
4. 所属と分離:「of / off」
スペルが似ていますが、コアイメージは正反対です。
「of」のコアイメージ:所属・所有(A of B = B の A) 🔗
of は最も多義的な前置詞の一つですが、コアイメージは「AはBに所属している」という感覚です。「~の」と訳されることが多いです。
He is a friend of mine. (彼は私の友人【の】一人です。) ※所属
This is the top of the mountain. (これが山の頂上です。) ※部分
She bought a bottle of water. (彼女は水【の】ボトルを買った。) ※中身
「off」のコアイメージ:表面からの分離 💥
off は「接触」を表す on の正反対。「表面から離れる」という分離・切断のイメージが中核です。
The book fell off the desk. (本が机【から】落ちた。) ※ on the desk の反対
Please turn off the light. (電気を【消して】ください。) ※電力の接続を「離す」
I took a day off yesterday. (昨日、一日休みを取りました。) ※仕事から「離れた」日
まとめ:コアイメージで応用力を
今回は、基本の前置詞から一歩進んだ「応用編」の前置詞をコアイメージで学びました。
- above / below: 「離れた」上下関係(基準との比較)
- through / across: 3D(内部)の通過 / 2D(表面)の横断
- between / among: 2者(または明確な数)の間 / 不特定多数(漠然とした群れ)の中
- of / off: 所属・所有(くっつく) / 分離・切断(離れる)
日本語訳で「~の上」「~の間」と一対一で覚えるのではなく、この中心的な「感覚・絵」を掴むことが、英語のニュアンスを正確に理解し、使いこなすための鍵となります。
ぜひ、身の回りの状況をこれらの前置詞を使って表現する練習をしてみてください。