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わかる中国語文法⑨:文の解体新書!「主語・述語・賓語」の基本ルールと語順

 

わかる中国語文法⑨:文の解体新書!「主語・述語・賓語」の基本ルールと語順

こんにちは!「わかる中国語文法」シリーズ第9回です。

第8回までで、文の種類(平叙文、疑問文、命令文など)を学びました。今回からは、いよいよ文の「内部構造」にメスを入れます。いわば「文の解体新書」です。

どんなに複雑な中国語の文も、突き詰めれば「部品」の集まりです。今回は、その最も核となる3大要素、「主語(S)」「述語(V)」「賓語(O)」を徹底的に解剖します。文の骨格である「誰が」「どうする」「何を」を理解すれば、文の組み立ても読解も格段に楽になります!


049 文を構成する成分とは?

中国語の文は、いくつかの「成分 (成分 chéngfèn)」から成り立っています。「成分」とは、文の中での「役割」や「担当」のことです。

主な成分には以下の6つがあります。

  • 主語 (主语 zhǔyǔ):文の主人公。「誰が」「何が」
  • 述語 (谓语 wèiyǔ):主語の動作や状態。「どうする」「〜だ」
  • 賓語 (宾语 bīnyǔ):述語(動詞)の対象。「何を」「誰を」
  • 修飾語 (定语 dìngyǔ / 状语 zhuàngyǔ):他の成分を詳しく説明する。(連体修飾語 / 連用修飾語)
  • 補語 (补语 bǔyǔ):述語(動詞・形容詞)の結果や程度を補足する。

[修飾語] (主語) <修飾語> (述語) (補語) (賓語)

文の基本骨格は「主語」「述語」「賓語」の3つです。今回はこの3大成分に焦点を当てます。


文の主役:「主語 (主语 zhǔyǔ)」

「主語」は、文が説明する対象、「〜は」「〜が」にあたる部分です。

主語と述語の関係

主語は、述語が表す「動作の主体(行う人)」である場合と、単に「説明の対象(トピック)」である場合があります。

  • 動作の主体: 我 学习。(Wǒ xuéxí.) - 私が 勉強する。
  • 説明の対象: 天气 很好。(Tiānqì hěn hǎo.) - 天気は とても良い。

述語性の主語

「〜すること」のように、動詞句や主述句がそのまま主語になることもできます。

  • [学习汉语] 很难。([Xuéxí Hànyǔ] hěn nán.) - [中国語を学ぶこと]は とても難しい。
  • [他来] 很好。([Tā lái] hěn hǎo.) - [彼が来ること]は とても良い。

主語の省略

日本語と同様、文脈から明らかな場合、主語は頻繁に省略されます。

  • (A): 你吃饭了吗?(Nǐ chīfàn le ma?) - あなたはご飯を食べましたか?
    (B): (我) 吃了。((Wǒ) chī le.) - (私は) 食べました。
  • 下雨了。(Xià yǔ le.) - 雨が降った。(天気を表す文では主語が不要)

文の核心:「述語 (谓语 wèiyǔ)」

「述語」は、主語について「どうする」のか、「どんなだ」のか、「何だ」のかを説明する、文の核心部分です。述語にはいくつかの種類があります。

動詞述語 (動詞が述語になる文)

最も一般的なパターンで、動詞が述語の中心となります。

  • 他 来了。(Tā lái le.) - 彼は来ました。
  • 我 看 书。(Wǒ kàn shū.) - 私は本を読みます。

形容詞述語 (形容詞が述語になる文)

形容詞がそのまま述語になり、「〜は〜だ(状態)」を表します。英語のbe動詞のような「(shì)」は不要です。

注意: 肯定文では、形容詞の前に「(hěn)」などの程度副詞を置くのが一般的です。「」は「とても」という意味が薄れ、単に調子を整える役割を果たします。

  • 漂亮。(hěn piàoliang.) - 彼女はきれいです。(Tā shì piàoliang とは言いません)
  • 今天 热。(Jīntiān hěn rè.) - 今日は暑いです。
  • 他 不 高。(Tā bù gāo.) - 彼は背が高くありません。(否定文では は不要)

名詞述語 (名詞が述語になる文)

まれなケースですが、名詞(や時間詞、数量詞)がそのまま述語になることがあります。「」が省略された形です。日付、天候、年齢、価格などを表す文に限られます。

  • 明天 星期五。(Míngtiān xīngqīwǔ.) - 明日は金曜日です。
  • 他 三十岁。(Tā sānshí suì.) - 彼は30歳です。
  • 苹果 一斤 五块钱。(Píngguǒ yì jīn wǔ kuài qián.) - リンゴは500gで5元です。

動作の対象:「賓語 (宾语 bīnyǔ)」

「賓語」は「目的語」とも呼ばれ、動詞述語の「動作」が及ぶ対象、「〜を」「〜に」にあたる部分です。

動詞と賓語の関係 (賓語の有無)

動詞には、賓語(目的語)を必要とする動詞(他動詞)と、必要としない動詞(自動詞)があります。

  • 058 賓語がある文 (他動詞):
    我 吃 苹果(Wǒ chī píngguǒ.) - 私はリンゴを食べる。
  • 058 賓語がある文 (他動詞):
    他 爱 (Tā ài .) - 彼はあなたを愛している。
  • 057 賓語がない文 (自動詞):
    他 笑了。(Tā xiào le.) - 彼は笑った。(「何を」は不要)
  • 057 賓語がない文 (自動詞):
    飞机 起飞了。(Fēijī qǐfēi le.) - 飛行機が離陸した。

まとめと次回予告

お疲れ様でした!今回は、文の最も基本的な骨格である「主語」「述語」「賓語」を解体しました。

  • 主語 (S):文の主役。「〜が」(省略されることも多い)
  • 述語 (V):文の核心。「どうする(動詞)」「どんなだ(形容詞)」「何だ(名詞)」
  • 賓語 (O):動作の対象。「〜を」「〜に」(動詞の後ろに来る)

特に「形容詞述語文(很漂亮)」や「名詞述語文(明天星期五)」は、 を使わない中国語の特徴的なパターンなので、しっかり押さえましょう。

さて、文の骨格がわかりました。次回は、その骨格を支える上で欠かせない、中国語の最重要動詞である「是 (shì)」「在 (zài)」「有 (yǒu)」の使い方を徹底的に解説します!

【第10回】最重要動詞「是・在・有」と「存在文」でお会いしましょう!

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