わかる中国語文法⑮:「補語」③ "30分" "2回" 時間量・動作量補語の正しい語順
こんにちは!中国語文法シリーズ第15回、ついに補語シリーズの最終回です!
第13回で「結果・方向・可能」補語、第14回で「状態・程度」補語を学び、中国語文法のラスボス「補語」の攻略もあと一歩です。
今回は、動作の「回数(何回)」や「時間(どのくらい)」を表す「動作量補語」と「時間量補語」を学びます。「中国に行ったことが2回ある」「中国語を3年間勉強した」といった表現です。
一見簡単そうですが、これらの補語は目的語(賓語)と一緒に使うときの語順が非常に特殊で、学習者が最も間違えやすいポイントの一つです。ここを制覇して、補語を完全にマスターしましょう!
動作量補語 (「~回」動作の回数)
「動作量補語 (动量补语 )」は、動詞の後ろに置き、その動作が行われた「回数」を表します。
回数を表す「次()」や「遍()」、「趟()」などの動量詞が使われます。
基本構造: S + V (動詞) + (了/过) + [動作量補語 (回数)]
- 他来了一次。() - 彼は1回来ました。
- 我看过两遍。() - 私は(それを)2回(最初から最後まで通して)見ました。
- 我找了他好几次。() - 私は彼を何度も探しました。
時間量補語 (「~間」動作の時間)
「時間量補語 (时量补语 )」は、動詞の後ろに置き、その動作が「どのくらいの時間続いたか」(持続時間)を表します。
基本構造: S + V (動詞) + (了) + [時間量補語 (時間)]
- 他睡了八个小时。() - 彼は8時間眠った。
- 我学了三年(汉语)。() - 私は3年間(中国語を)勉強した。※目的語については後述
- 请等一会儿。() - 少々お待ちください。
最大の難関!目的語(賓語)がある場合の語順
ここが今回の最重要ポイントです。「動作量補語」や「時間量補語」は、目的語(賓語)と一緒になると、語順が非常に複雑になります。
例:「私は中国語を3年間勉強した」
我(S) + 学(V) + 汉语(O) + 三年(補語) ... このまま並べてはいけません。
大原則:「動詞 + 目的語 + 数量補語」(V+O+補) の語順は、原則として**間違い**です。
NG (X): 我学汉语三年了。
NG (X): 我看书两个小时了。
では、どうすればよいのでしょうか? 正しい語順は主に以下の2パターンです。
1. 動作量補語 (回数) + 目的語 の場合
回数を表す場合、目的語が「人」か「モノ・場所」かで語順が変わります。
- 目的語が「モノ・場所」の場合:(V + 補語 + O)
我去过三次北京。() - 私は北京に3回行ったことがある。
(V + 補 + O の語順。これが最も一般的) - 目的語が「人」の場合:(V + O + 補)
我找过他两次。() - 私は彼を2回訪ねたことがある。
(V + O + 補 の例外パターン)
2. 時間量補語 (時間) + 目的語 の場合
時間を表す場合は、ほぼ例外なく「動詞の繰り返し」が必要になります。
時間量の鉄則: 動詞を2回繰り返す!
S + V + O + V + (了) + [時間量補語]
- 我学汉语学了三年。() - 私は中国語を3年間勉強した。
- 他看书看了两个小时。() - 彼は本を2時間読んだ。
- 我们等他等了半个小时。() - 私たちは彼を30分待った。(目的語が人でも同じ)
その他の言い方:「的」を使う / 目的語を前に出す
動詞の繰り返しを避ける言い方もあります。
- 「的」を使う: V + (了) + [時間量] + 的 + O
我学了三年的汉语。() - 私は3年間の中国語(学習)をした。 - 目的語を前に出す: O + S + V + (了) + [時間量]
汉语,我学了三年。() - 中国語(はね)、私は3年勉強しました。(会話的)
※これらの補語は、目的語(賓語)と見なされることもありますが、文法上は「補語」として扱うのが一般的です。
比較の結果を表す数量補語
補語シリーズの最後として、「数量」が補語になるもう一つのケースを紹介します。これは、第12回で学んだ「比()」構文(比較)と組み合わせて使われます。
「AはBより(形容詞)だ」に、「どのくらい」の差があるか、具体的な「数量」を加える用法です。
構造: A + 比 + B + 形容詞 + [数量補語 (差)]
- 他比我大三岁。() - 彼は私より3歳年上だ。
- 这件衣服比那件贵一百块钱。() - この服はあの服より100元高い。
- 哥哥比弟弟高一点儿。() - 兄は弟より少し背が高い。