【大人の学び直し英語】名詞と冠詞 (a, an, the) 徹底攻略ドリル
前回の記事「【大人の学び直し英語】名詞と冠詞「これはペンです」の本当の意味」では、多くの人が曖昧にしがちな「名詞」と「冠詞」のルールを学びました。
今回は、その大切な知識を「記憶に定着させる」ための実践ドリルです。「なぜ 'a' が付くのか?」「'a' と 'an' の使い分けは?」「'a' と 'the' はどう違う?」といった疑問を、クイズを解きながらスッキリ解消していきます。「わかる」を「できる」に変えるために、ぜひチャレンジしてみてください!
1.「a」と「an」の使い分けドリル(音のルール)
まずは基本の「a」と「an」です。これらは「数えられる名詞」が「不特定のひとつ」あることを示します。使い分けのルールは「スペル(綴り)」ではなく、直後に来る単語の「発音」で決まるのが最重要ポイントでした。
- a + 子音の音で始まる単語 (例: a pen, a book, a university [yの音])
- an + 母音の音(あ・い・う・え・お)で始まる単語 (例: an apple, an hour [hが発音されない])
( ) に a または an のどちらかを入れてみましょう。
やってみよう! a / an 使い分けクイズ(20問)
- This is ( ) pen.
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a
(pen は /p/ という子音の音で始まるため a を使います) - I ate ( ) apple.
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an
(apple は /æ/ という母音の音で始まるため an を使います) - She has ( ) umbrella.
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an
(umbrella は /ʌ/ という母音の音で始まるため an を使います) - I'll be back in ( ) hour.
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an
(hour は /aʊ/ という母音の音で始まります(hは発音しない)。そのため an を使います) - He is ( ) university student.
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a
(university は /ju:/ という子音の音 (yの音) で始まります。そのため a を使います) - That is ( ) good book.
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a
(good は /g/ という子音の音で始まるため a を使います) - She is ( ) honest person.
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an
(honest は /ɒ/ という母音の音で始まります(hは発音しない)。そのため an を使います) - I saw ( ) one-eyed cat. (one-eyed = 片目の)
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a
(one は /wʌn/ という子音の音 (wの音) で始まります。そのため a を使います) - It's ( ) easy question.
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an
(easy は /i:/ という母音の音で始まるため an を使います) - He bought ( ) new car.
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a
(new は /n/ という子音の音で始まるため a を使います) - I have ( ) idea.
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an
(idea は /aɪ/ という母音の音で始まるため an を使います) - I saw ( ) European tourist.
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a
(European は /jʊ/ という子音の音 (yの音) で始まります。そのため a を使います) - This is ( ) useful tool.
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a
(useful は /ju:/ という子音の音 (yの音) で始まります。そのため a を使います) - He gave me ( ) gift.
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a
(gift は /g/ という子音の音で始まるため a を使います) - That is ( ) old building.
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an
(old は /oʊ/ という母音の音で始まるため an を使います) - I need ( ) piece of paper.
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a
(piece は /p/ という子音の音で始まるため a を使います) - She is ( ) excellent teacher.
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an
(excellent は /e/ という母音の音で始まるため an を使います) - I saw ( ) UFO yesterday.
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a
(UFO は /ju: .../ と子音の音 (yの音) で読み始めます。そのため a を使います) - He works at ( ) office.
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an
(office は /ɒ/ という母音の音で始まるため an を使います) - This is ( ) historical event. (historical の h は発音する/しない両方ありますが、発音する場合)
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a
(/h/ の音(子音)を発音する場合は a になります。 ※hを発音せず an historical と言う人もいます)
2.「a / an」(不特定) vs. 「the」(特定)使い分けドリル
次は「a/an」と「the」の使い分けです。これが冠詞の核心です。話し手と聞き手の「共通認識」があるかどうかが鍵になります。
- a / an(不特定冠詞): 「(たくさんある中の)とある一つ」というニュアンス。初めて話題に出すときに使います。
- the(定冠詞): 「(例の)あれね」という共通認識があるもの。一度話題に出たもの、状況から特定できるもの、世界に一つしかないものに使います。
文脈を読んで ( ) に a, an, the のどれかを入れてみましょう。
やってみよう! a / an vs. aThe 使い分けクイズ(20問)
- I bought ( ) book yesterday. ( ) book is very interesting.
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a / the
(1文目:初めて話題に出す「(とある)本」なので a。 2文目:1文目で話題にした「その本」と特定されるので the を使います) - Could you open ( ) window? (部屋にいることを想定して)
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the
(その場にいる人同士で、どの窓を指すか「共通認識」がある(例:部屋に窓が一つしかない、一番近い窓など)ため the を使います) - ( ) sun is very strong today.
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The
(太陽 (sun) は「世界に一つしかないもの」なので the を使います) - This is ( ) pen. (ペンを初めて見せて)
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a
(「これは(とある一本の)ペンです」と、初めて不特定のものを紹介するため a を使います) - This is ( ) pen my father gave me. (これは父がくれたペンです)
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the
(「父がくれた(あの特定の)」ペン、と限定されているため the を使います) - I saw ( ) beautiful flower in the garden.
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a
(初めて話題に出す「(とある)美しい花」なので a を使います) - ( ) moon is bright tonight.
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The
(月 (moon) は「世界に一つしかないもの」なので the を使います) - She is ( ) doctor.
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a
(彼女の職業が「(たくさんいる医者という職業の)一人」であることを示すため a を使います) - Can you play ( ) piano?
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the
(play the 楽器 は、「その楽器(という種類のもの)」を演奏するという決まった表現として the を使います) - This is ( ) best moment of my life. (人生最高の瞬間だ)
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the
(best (goodの最上級) のように「一番~」と特定するものには the を使います) - He lives in ( ) small town.
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a
(初めて話題に出す「(とある)小さな町」なので a を使います) - ( ) town he lives in is quiet. (彼が住んでいる町は静かだ)
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The
(「彼が住んでいる(あの特定の)」町、と限定されているため the を使います) - A: I have ( ) problem. B: What's ( ) problem?
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a / the
(Aさん:初めて話題に出す「(とある)問題」なので a。 Bさん:Aさんが今言った「その問題」と特定されるので the を使います) - ( ) Earth goes around ( ) Sun.
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The / the
(地球 (Earth) も太陽 (Sun) も「世界に一つしかないもの」なので、両方とも the を使います) - He is ( ) honest man I've ever met. (彼は私が今まで会った中で一番正直な男性だ)
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the
(「私が今まで会った中で一番」のように、範囲を限定して特定しているため the を使います。※最上級 (the most honest) と同じ考え方です) - Where is ( ) restroom? (お店の中などで)
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the
(そのお店にある「(特定できる)お手洗い」はどこですか、と共通認識があるため the を使います) - I need ( ) new computer.
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a
(初めて話題に出す「(とある)新しいコンピュータ」なので a を使います) - Please pass me ( ) salt. (食卓で)
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the
(食卓にある「(特定できる)その塩」を取って、と共通認識があるため the を使います) - He is ( ) president of the company. (彼はその会社の社長です)
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the
(「その会社の」社長は一人しかいない(特定できる)ため the を使います) - I found ( ) wallet on the street. ( ) wallet had money in it.
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a / the
(1文目:初めて話題に出す「(とある)財布」なので a。 2文目:1文目で見つけた「その財布」と特定されるので the を使います)
3. 冠詞あり (a/an/the) vs. 冠詞なし (無冠詞) ドリル
最後は、冠詞を使うべきか、使わないべきかのドリルです。「a/an」は「数えられる名詞の単数形」にしか使えませんでした。では、数えられない名詞や複数形の場合はどうなるでしょうか?
- 数えられる名詞(単数): a/an (不特定の一つ) か the (特定の一つ) が必要。
- 数えられない名詞 (water, music, information など):
- 一般的な話 (例:水が好き) → 冠詞なし (---)
- 特定の話 (例:この水) → the
- 数えられる名詞(複数形) (dogs, books など):
- 一般的な話 (例:犬が好き) → 冠詞なし (---)
- 特定の話 (例:あの犬たち) → the
文脈を読んで ( ) に a, an, the, --- (冠詞なし) のどれが入るか考えてみましょう。
やってみよう! 冠詞あり vs 冠詞なし クイズ(20問)
- I like ( ) music. (音楽全般が好きです)
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--- (冠詞なし)
(music は数えられない名詞で、「音楽全般」という一般的な話をしているため冠詞は不要です) - I like ( ) music you are listening to. (あなたが聞いているその音楽が好きです)
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the
(music でも「あなたが聞いている」と特定されているため the を使います) - I need ( ) water. (水が(いくらか)必要です)
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--- (冠詞なし)
(water は数えられない名詞で、漠然と「水」を指すため冠詞は不要です。 ※ some water と言うことも多いです) - ( ) water in this bottle is cold. (このボトルの水は冷たい)
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The
(water でも「このボトルの」と特定されているため the を使います) - This is ( ) pen.
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a
(pen は数えられる名詞の単数形で、不特定の一つを指すため a が必要です) - I bought ( ) new shoes. (新しい靴を買いました)
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--- (冠詞なし)
(shoes は複数形です。a/an は使えません。不特定なので the も使いません。 ※ some new shoes と言うことも多いです) - Where are ( ) new shoes I bought? (私が買ったあの新しい靴はどこ?)
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the
(shoes (複数形) でも「私が買った」と特定されているため the を使います) - ( ) dogs are loyal animals. (犬とは忠実な動物だ)
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--- (冠詞なし)
(dogs (複数形) で「犬というもの全般」を指すため冠詞は不要です。 ※ A dog is ... と単数形で表すこともあります) - I play ( ) baseball. (野球をします)
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--- (冠詞なし)
(スポーツの名前には原則として冠詞は不要です) - ( ) information is important. (情報は重要だ)
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--- (冠詞なし)
(information は数えられない名詞で、「情報全般」の話をしているため冠詞は不要です) - ( ) information he gave us was wrong. (彼がくれたその情報は間違っていた)
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The
(information でも「彼がくれた」と特定されているため the を使います) - He goes to ( ) school. (彼は学校に通っている)
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--- (冠詞なし)
(go to school (勉強しに)、go to bed (寝に) のように、本来の目的でその場所に行く場合は冠詞をつけないことが多いです) - His father went to ( ) school to meet the teacher. (彼の父は先生に会うためにその学校へ行った)
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the
(この場合、「建物としての学校」を指しており、どの学校か特定できるため the を使います) - We had ( ) dinner at 7. (7時に夕食をとった)
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--- (冠詞なし)
D
(朝食、昼食、夕食 (breakfast, lunch, dinner) には原則として冠詞は不要です) - We had ( ) wonderful dinner. (素晴らしい夕食をとった)
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a
(dinner でも、wonderful のような形容詞がついて「(とある)食事」として数えられるようになると a が必要になります) - ( ) Tokyo is the capital of Japan. (東京は日本の首都です)
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--- (冠詞なし)
(Tokyo のような都市名、国名(※例外あり)、人の名前には原則として冠詞は不要です) - I need ( ) advice. (アドバイスが必要です)
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--- (冠詞なし)
(advice (アドバイス) は数えられない名詞です。a/an は使えません。 ※ some advice や a piece of advice と言います) - ( ) love is important. (愛は大切だ)
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--- (冠詞なし)
(love (愛) のような抽象的な概念は数えられず、一般的な話をしているため冠詞は不要です) - She has ( ) beautiful voice. (彼女は美しい声をしている)
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a
(voice は数えられる名詞として扱われ、「(とある)美しい声」として a が必要です) - ( ) English is spoken here. (ここでは英語が話されています)
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--- (冠詞なし)
(English (英語) のような言語の名前には原則として冠詞は不要です)
まとめ
お疲れ様でした!名詞と冠詞のドリルはいかがでしたか?
冠詞は日本語にない感覚なので、最初は戸惑うかもしれません。特に「a/an と the の使い分け」や「数えられない名詞」の感覚は、英語の土台として非常に重要です。今回のドリルで間違えてしまった問題も、なぜそうなるのかを解説で確認し、何度も声に出して読んでみてください。
この感覚が身につくと、あなたの英語はより自然で正確になります。これからも「大人の学び直し英語」シリーズで、楽しく英語の基礎を固めていきましょう!