わかる中国語文法⑭:「補語」② "走るのが速い" V+得+Adj状態補語と程度補語
こんにちは!中国語文法シリーズ第14回、補語の攻略第二弾です。
第13回では、「結果」「方向」「可能」を表す補語を学びました。今回は、動作や状態の「様子」や「程度」を詳しく描写する補語、すなわち「状態補語」と「程度補語」をマスターします。
「彼は走るのが速い」「嬉しくて飛び上がりそうだ」といった表現は、日常会話で非常によく使われます。これらの補語を使いこなす鍵となるのが、助詞の「得()」です。この「得」の使い方をしっかり押さえれば、表現のレベルが格段にアップしますよ!
状態補語 (动作の様子・状態)
「状態補語 (状态补语 )」は、動詞や形容詞の後ろに置かれ、その動作や状態が「どのような様子・状態」であるか、あるいは「どの程度の状態に至ったか」を具体的に描写・評価する補語です。構造助詞「得()」を使って動詞/形容詞と補語を結びつけます。
1. 動詞に対する状態補語
「(〜するのが)どうだ」と、動作の様子や評価を述べます。
基本構造: V (動詞) + 得 + [描写・評価 (形容詞/句)]
- 他跑得很快。() - 彼は走るのがとても速い。
- 你说得太好了!() - あなたの話すのは素晴らしい!(話し方が上手だ)
- 宝宝睡得很香。() - 赤ちゃんはぐっすり眠っている。(眠る様子が良い香り→ぐっすり)
2. 動賓(ひん)連語に対する状態補語
「中国語を話すのが流暢だ」のように、目的語(賓語)を伴う動詞(動賓連語)の様子を描写する場合、語順が特殊になります。主に2つの言い方があります。
構造1 (動詞の繰り返し): V + O + V + 得 + [描写・評価]
構造2 (目的語の前置): O + V + 得 + [描写・評価]
※会話では、動詞を繰り返す「構造1」が最も一般的です。
- (例)「彼は中国語を話すのがとても流暢だ」
構造1: 他说汉语说得很流利。()
構造2: 他汉语说得很流利。()
NG(X): 他说汉语得很流利。(動詞と目的語の間に得は入れられない) - (例)「彼女は歌うのがとても上手だ」
構造1: 她唱歌唱得很好听。()
構造2: 她歌唱得很好听。()
3. 形容詞に対する状態補語
形容詞の後ろに「得」を伴って、「〜で〜な状態になる」という結果や程度を表します。誇張表現でよく使われます。
構造: Adj (形容詞) + 得 + [結果の状態 (句)]
- 我高兴得跳了起来。() - 私は嬉しくて飛び上がった。
- 他忙得没时间吃饭。() - 彼は忙しくてご飯を食べる時間もない。
- 这孩子可爱得不得了。() - この子ったら可愛くてたまらない。(不得了: たまらない、大変だ)
程度補語 (程度・度合い)
「程度補語 (程度补语 )」は、形容詞や(心理活動を表す)動詞の後ろに置かれ、その程度が「非常に高い」ことを表します。「〜でたまらない」「〜きわまりない」といったニュアンスです。「得」を使う形と使わない形があります。
1. 「得」を用いる程度補語
形容詞 + 得 + [程度を表す語句]
- 好得很。() - とても良い。/ すごく良い。
- 多得多。() - (比較して)ずっと多い。
- ※形容詞に対する状態補語(例:高兴得不得了)と形が似ていますが、程度補語は「とても〜だ」と程度そのものを強調します。
2. 「得」を用いない程度補語
形容詞や心理動詞の後ろに、特定の語句を直接つけます。
- ...极了() - 〜きわまりない、最高に〜だ
例: 好极了!() - 最高だ!
例: 今天天气冷极了。() - 今日はめちゃくちゃ寒い。 - ...死了() - (死ぬほど)〜だ(話し言葉、多くは良くないことに使うが、程度が高ければ良いことにも使う)
例: 饿死了!() - お腹がペコペコだ!(死ぬほどお腹が空いた)
例: 累死了!() - 疲れて死にそうだ!
例: 高兴死了!() - めっちゃ嬉しい!