【英語精読】『小公子』Vol.4:譲歩の as と強調構文が描く「少年の決意」(5分解説)
「なんとなく」読む英語から、構造を「確信」して読む英語へ。名作『小公子』第4回は、セドリックが「死」という冷酷な現実を理解する瞬間です。難しい倒置や強調構文が、少年の心の成長をどう描き出しているか注目しましょう。
1. 今日のテキスト(音声付き)
“Yes, he is well,” she sobbed; “he is quite, quite well, but we--we have no one left but each other. No one at all.” Then, little as he was, he understood that his big, handsome young papa would not come back any more; that he was dead, as he had heard of other people being, although he could not comprehend exactly what strange thing had brought all this sadness about. It was because his mamma always cried when he spoke of his papa that he secretly made up his mind it was better not to speak of him very often to her, and he found out, too, that it was better not to let her sit still and look into the fire or out of the window without moving or talking.
【意訳】
「ええ、パパは元気よ」とお母さんはすすり泣きました。「本当に、本当に元気。でも私たちは……私たちにはもう、お互いしか残っていないの。他に誰も」その時、セドリックは幼いながらも、大きく凛々しく若かったパパがもう二度と戻ってこないこと、パパが死んでしまったことを理解しました。他の人たちの死について聞いていたのと同じように。一体どんな奇妙な出来事がこの悲劇をもたらしたのか、その正体までは正確に把握できませんでしたが。お母さんがパパの話をするといつも泣くので、彼は「自分からはあまりパパの話をしないほうがいい」と心に決めました。そして、お母さんがじっと座ったまま、動かず喋らずに暖炉の火や窓の外を見つめ続けるのも、させておかないほうがいいのだと気づいたのです。
2. 文法・表現のロジカル解説
① 譲歩を表す as の倒置 "little as he was"
形容詞 + as + 主語 + 動詞 で「〜だけれども(Although he was little)」という意味になります。単なるAlthoughよりも「いかに彼が幼かったか」という事実を強調する響きがあり、その幼い子供が重大な真実を悟ったという対比を際立たせています。
② 因果関係を強調する "It was because ... that ..."
強調構文 です。なぜ彼が「パパの話をしない」と決めたのか、その**最大の理由**が「お母さんが泣くからだ」という点にあることを強調しています。セドリックの行動原理がお母さんへの深い愛にあることを示しています。
③ 限定の "but" = "except"
no one but each other で「お互い以外に誰もいない」となります。ここでの `but` は「しかし」ではなく「〜を除いて」という前置詞的な役割をしています。孤独な母子の絆を象徴するフレーズです。
3. 語彙チェック(発音確認ボタン付き)
| 単語 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|
| sobbed | すすり泣いた | |
| comprehend | 理解する、把握する | |
| bring about | (事態を)引き起こす | |
| made up his mind | 決心した | |
| secretly | 密かに、心の中で |