書き下し文の極意:機能語はひらがな!
漢文を日本語に直すとき、助詞・助動詞として働く漢字はひらがなに直すのが鉄則です。このドリルで「漢字のまま」か「ひらがな」かの判断基準を養いましょう。
【第1部】助動詞のひらがな直し
文末で意味を添えたり、述語を補助する漢字に注目してください。
問 1
不レ見レ花
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正解:花を見ず。
「不」は否定の助動詞(~ず)として働いているため、書き下し文ではひらがなに直します。
問 2
是宝也
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正解:是れ宝なり。
文末の「也」は断定の助動詞(~なり)です。意味を添える機能語なので、ひらがなで書きます。
問 3 【受身と置き字】の書き分け
見二用一於レ人
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正解:人に用いらる。
【ロジック:ダブルのひらがなルール】
1. 見:受身の助動詞(~らる)として働くため、ひらがなで書きます。
2. 於:場所や対象(~に)を示す置き字です。読みの「に」は書きますが、漢字の「於」自体は書き下し文には書きません。
読み順:人(1)→ 於(2・に)→ 用(3・用ゐ)→ 見(4・らる)
1. 見:受身の助動詞(~らる)として働くため、ひらがなで書きます。
2. 於:場所や対象(~に)を示す置き字です。読みの「に」は書きますが、漢字の「於」自体は書き下し文には書きません。
読み順:人(1)→ 於(2・に)→ 用(3・用ゐ)→ 見(4・らる)
問 4
使二人一来
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正解:人をして来たらしむ。
「使」は使役の助動詞(~しむ)です。書き下しでは「しむ」とひらがなで表記します。
問 5
当二学一
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正解:当(まさ)に学ぶべし。
「当」は再読文字ですが、二度目の読み(~べし)は助動詞のため、ひらがなで書きます。
【第2部】助詞のひらがな直し
言葉と言葉をつないだり、文末でニュアンスを加える漢字です。
問 6
燕雀之志
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正解:燕雀(えんじゃく)の志。
「之」が名詞と名詞の間にある場合、連体修飾を示す格助詞(~の)なので、ひらがなになります。
問 7
与レ君帰
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正解:君と帰る。
「与」が英語の with や and のように「~と」と読まれる場合、助詞扱いのためひらがなです。
問 8 【重要句法】不亦〜乎(反語)
不二亦楽一乎
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正解:亦(また)楽しからずや。
【ロジック:句法の語順】
「不亦〜乎」は「亦(また)〜ずや」と読む決まった形です。
1. 副詞の「亦」を読み、次に形容詞の「楽」を読みます。
2. 一点(楽)から二点(不)に戻り、「ず」と否定します。
3. 最後に文末の「乎」を「や」と読みます。
※助動詞「ず」や助詞「や」はひらがなで書き下します。
「不亦〜乎」は「亦(また)〜ずや」と読む決まった形です。
1. 副詞の「亦」を読み、次に形容詞の「楽」を読みます。
2. 一点(楽)から二点(不)に戻り、「ず」と否定します。
3. 最後に文末の「乎」を「や」と読みます。
※助動詞「ず」や助詞「や」はひらがなで書き下します。
問 9 【置き字の処理】於レ師
学二於レ師一
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正解:師に学ぶ。
【ロジック:返り点と置き字のルール】
1. レ点の動き:まず下の「師」を読み、レ点で戻って「於」を「に」と読みます。
2. 一二点の動き:「於レ師」というひと塊(一点)を読み終えたので、二点の「学」に戻ります。
3. 書き下しの注意:「於」は置き字です。送り仮名の「に」としては残りますが、漢字の「於」という文字自体は書き出しません。
1. レ点の動き:まず下の「師」を読み、レ点で戻って「於」を「に」と読みます。
2. 一二点の動き:「於レ師」というひと塊(一点)を読み終えたので、二点の「学」に戻ります。
3. 書き下しの注意:「於」は置き字です。送り仮名の「に」としては残りますが、漢字の「於」という文字自体は書き出しません。
問 10
仁与義
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正解:仁と義と。
A与Bの形で「AとBと」と読む場合、この「与」は並列の助詞なのでひらがなです。
【第3部】超重要!多義語の書き分け
同じ漢字でも、「実語(動詞など)」か「機能語」かで表記が変わります。
問 11 【為】を漢字で書くか判断せよ
為レ善
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正解:善を為(な)す。
「~を行う」という具体的な動作(動詞)として使われているため、漢字のまま書きます。
問 12 【為】を漢字で書くか判断せよ
為二人所一レ笑
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正解:人の笑ふ所と為(な)る。
「A為B所V(AはBにVされる)」の形です。この場合の「為」は「~となる」という動詞扱いなので、漢字で書くのが一般的です。
問 13 【焉】を書き下せ
有レ焉
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正解:焉(ここ)に有り。
「焉」が文頭・文中で「ここ」「これ」と指示語(代名詞)として使われる場合は、漢字で書きます。
問 14 【焉】の文末表現(終助詞)
不レ知焉
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正解:知らざらん。
【ロジック:打消と文末助詞のルール】
1. レ点の動き:まず「知」を読み、レ点で戻って「不(ず)」を読みます。日本語の「知ら+ず」の語順を作る基本です。
2. 焉:文末に置かれ、断定や詠嘆のニュアンスを添える助詞として働いています。この場合、書き下し文では漢字を書かず、ひらがなで処理します。
※この「焉」は「なり」や「ん」など、文脈によって読みが変わりますが、いずれも「機能語」なのでひらがなにするという原則は共通です。
1. レ点の動き:まず「知」を読み、レ点で戻って「不(ず)」を読みます。日本語の「知ら+ず」の語順を作る基本です。
2. 焉:文末に置かれ、断定や詠嘆のニュアンスを添える助詞として働いています。この場合、書き下し文では漢字を書かず、ひらがなで処理します。
※この「焉」は「なり」や「ん」など、文脈によって読みが変わりますが、いずれも「機能語」なのでひらがなにするという原則は共通です。
問 15 【如】を書き下せ
如レ此
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正解:此(かく)のごとし。
「如(ごとし)」は比況の助動詞です。意味を添える役割なので、ひらがなで書きます。