わかる漢文②:書き下し文の基本 ― 機能語はひらがな
漢文を日本語の文章(書き下し文)に直す際、減点されやすいのが 「漢字のまま書くか、ひらがなに直すか」の判断です。
高校漢文では、次の原則を基本とします。
漢字が文中で「助詞・助動詞などの文法的役割(機能語)」として用いられている場合、
書き下し文ではひらがなにする。
書き下し文ではひらがなにする。
1. 助動詞として用いられる漢字
意味を補助したり、文末で意味を添える漢字は、日本語では助動詞にあたるため、 書き下し文ではひらがなで表すのが原則です。
否定(~ず)
- 不
- 弗
不レ見
見ず
断定(~なり)
- 也
- 矣
是 宝 也
是(こ)れ宝なり
受身(~る・らる)
- 見
- 被
- 所
- 為
- 使
- 教
- 令
- 遣
見二レ用 於レ人一
人に用ゐらる
【この返り点の仕組み】
① まず一番下の「人」を読みます。
② レ点で戻って「於(に)」を読みます。
③ 一点の塊が終了。二点がある「見」に戻りますが、レ点が優先。まず「用(用ゐ)」を読み、最後に「見(らる)」を読みます。
① まず一番下の「人」を読みます。
② レ点で戻って「於(に)」を読みます。
③ 一点の塊が終了。二点がある「見」に戻りますが、レ点が優先。まず「用(用ゐ)」を読み、最後に「見(らる)」を読みます。
推量・当然(~べし)
- 可
- 当
- 応
2. 助詞として用いられる漢字
語と語の関係を示したり、文末で疑問・詠嘆を表す漢字も、 書き下し文ではひらがなにする。
格助詞(~の)
- 之
- 与
燕 雀 之 志
燕雀(えんじゃく)の志
疑問・反語(~か・や)
- 乎
- 邪
- 与
不二亦 楽 一乎
亦(また)楽しからずや
※助動詞「ず」と助詞「や」は、機能語なのでひらがなで書きます。
3. 注意すべき多義語
同じ漢字でも、文中での役割によって
漢字のまま書くか、ひらがなにするかが変わる。
漢字のまま書くか、ひらがなにするかが変わる。
① 「為」
- 受身・断定などの機能語 → ひらがな
- 「~のために」「~となす」などの動詞 → 漢字
② 「焉」
- 文末の助詞・指示語として用いられる
- 断定「なり」とは読まない
③ 「如・若」
- 如:比況(~ごとし)として用いられることが多い
- 若:比況のほか、仮定・選択などの用法もある