【衝撃】ロッテが中国で失った2兆ウォン!
撤退の裏にあった「政治の罠」とは?
日本でも「お口の恋人」としておなじみのロッテ(Lotte)。実は、お隣の韓国ではホテル、化学、建設まで手掛けており、売り上げが9兆円に迫る巨大財閥であることをご存知でしょうか?
そんな韓国ロッテグループが今、歴史的な転換点を迎えています。かつて「第二の創業」とまで意気込み、莫大な投資を行った中国市場からの完全撤退です。
なぜ韓国ロッテは夢見た中国市場を捨てざるを得なかったのか?そこには、企業努力ではどうにもならない「地政学リスク(政治対立)」の恐ろしさがありました。今回は、ロッテが直面した中国撤退劇の全貌を分かりやすく解説します。
1. きっかけは「ゴルフ場」の提供だった
時計の針を2016年に戻しましょう。当時、韓国ロッテは中国で絶好調。創業者の悲願である「売上200兆ウォン(約20兆円)」を目指し、上海に巨大な統括本部を置くなど、中国は最重要マーケットでした。
しかし、運命の歯車が狂い始めます。
北朝鮮のミサイル脅威に対抗するため、韓国政府はアメリカの迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の配備を決定しました。その配備場所に選ばれたのが、なんとロッテが所有するゴルフ場(星州カントリークラブ)だったのです。
「国の安全のためなら……」
ロッテは政府の要請に応じ、土地を提供しました。しかし、これが中国政府(北京)の逆鱗に触れることになります。中国は「THAADのレーダーは中国の内陸まで覗けるスパイ兵器だ!」と猛反発。土地を提供したロッテを「報復のターゲット」としてロックオンしたのです。
2. 壮絶な「イジメ」:営業停止と不買運動
ここから、中国政府による徹底的な「ロッテ叩き」が始まります。それは、法律やルールを巧みに利用した、逃げ場のない攻撃でした。
中国が行った主な報復措置
- 突然の消防査察:「消防法違反」などを理由に、ある日突然店舗に営業停止命令が出る。
- 執拗な税務調査:長期にわたる調査で経営を圧迫。罰金や許認可の遅延が相次ぐ。
- 国ぐるみの不買運動:官製メディアが「ロッテ製品を買うな」と扇動。デモが発生し、商品が棚から撤去される。
特にスーパーマーケット事業である「ロッテマート」への打撃は壊滅的でした。当時中国にあった99店舗のうち、実に87店舗が強制的に営業停止に追い込まれました。
店を開けられないのに、家賃や人件費はかかる……。毎月数百億ウォンのお金が湯水のように消えていきました。
3. 損失額は2兆ウォン超!涙の完全撤退
この「THAADショック」による被害は甚大でした。ロッテマートの売上は前年比で約77%も激減。もはやビジネスとして成立しない状態です。
最終的にロッテは、あれほど力を入れていた中国市場からの撤退を決断します。店舗や工場を売却しましたが、足元を見られて叩き売るしかありませんでした。その結果、推定される累積損失は2兆ウォン(約2,200億円)以上と言われています。
| 事業部門 | 撤退の状況 |
|---|---|
| ロッテマート (スーパー) |
112店舗を閉鎖・売却。売上は壊滅的減少。 2018年に完全撤退。 |
| ロッテ百貨店 | 営業赤字が続き、店舗を順次閉鎖。 2022年の成都店閉店で完全撤退。 |
| 製菓・飲料 (お菓子など) |
工場を売却・生産停止。 中国国内ブランドの台頭にも勝てず撤退。 |
そして2022年、ロッテは上海にあった中国統括本部を解散。「中国での夢」は完全に幕を閉じました。
4. 「脱中国」のその先へ:新南方政策
痛い授業料を払ったロッテですが、ただ転んだままではありません。中国という巨大市場を失った今、彼らは別の場所に活路を見出しています。
それが、「新南方政策」です。
現在、ロッテは以下の国々に経営資源を集中させています。
かつて中国に向けられていた情熱は今、東南アジアやインドに向けられています。
まとめ:企業にとっての「カントリーリスク」
ロッテの事例は、「どんなに良い商品を売っていても、政治情勢一つでビジネスが崩壊する」という強烈な教訓を世界中の企業に与えました。中国でのビジネスのリスクを身をもって示したのでした。
現在、ロッテグループは中国撤退の痛手や、主力の化学部門(ロッテケミカル)の不振により資金繰りが話題になることもありますが、日本のメガバンクを含む金融機関と連携し、新たな成長戦略を描こうとしています。
「脱中国」を完了したロッテが、アジアの新たな市場でどう復活するのか。今後の動きに注目です。
「本記事は、情報提供を目的としたものであり、特定の企業の株式購入や投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。」