ついに「透明な幽霊」の正体が判明!?
暗黒物質(ダークマター)からの信号を世界初検出か
宇宙にある物質の8割以上を占めるのに、誰にも見えなかった「暗黒物質(ダークマター)」。その正体がついに判明したかもしれません。東京大学の研究チームが捉えた「ある光」が、物理学の歴史を変えようとしています。
何が見つかったのか?
東京大学の戸谷友則教授は、NASAの「フェルミガンマ線観測衛星」が過去15年間に収集したデータを詳細に解析しました。その結果、私たちの住む天の川銀河の中心方向から、ぼんやりと広がる奇妙なガンマ線の光(ハロー)を発見しました。
これまでも宇宙からは様々なガンマ線が飛んできていましたが、今回見つかった光は、普通の星やガスが出すものとは明らかに性質が異なっていました。解析の結果、この光は「暗黒物質同士が衝突して消滅した際に出る光」である可能性が極めて高いことが分かったのです。
なぜ「暗黒物質」だとわかるのか?
「目に見えないのに、なぜ暗黒物質の光だとわかるの?」と思うかもしれません。決め手となったのは、光のエネルギー分布(スペクトル)でした。
発見された「証拠」
通常の天体現象では説明がつかない不思議な特徴が、理論物理学者が長年追い求めていた「暗黒物質の指紋」と完全に重なったのです。
正体とされる「WIMP」とは?
今回、その存在が示唆された暗黒物質の有力候補は「WIMP(ウィンプ)」と呼ばれる未知の素粒子です。
WIMPは、お互いにすり抜けてしまう幽霊のような粒子ですが、極めて稀に正面衝突することがあります。すると、2つの粒子は「対消滅」を起こして消え去り、その代わりに高エネルギーのガンマ線を放ちます。今回、フェルミ衛星が捉えたのは、まさにこの「消滅の瞬間の閃光」だったと考えられます。
ノーベル賞級の発見へ
もしこの発見が、今後の追加観測や他の研究者によって確定されれば、天文学・物理学における「100年来の最大の謎」が解けることになります。
「見えない物質」を初めて「見た」ことになり、現在の物理学の教科書(標準理論)には載っていない新しい粒子の発見となるからです。人類の知恵が、ついに宇宙の暗闇に光を当てた瞬間と言えるでしょう。
宇宙の始まりと終わりに関する入門記事は以下をご覧ください。