韓国の「国民の母」コ・ドゥシム(高斗心)の凄みとおすすめ作品5選
韓国ドラマを見ていると、ある時は市場で働く逞しいおばさん、ある時は財閥の威厳ある会長、そしてある時は涙を誘う献身的な母親として、圧倒的な存在感を放つ女優に出会います。それが、コ・ドゥシム(高斗心)です。
彼女は韓国の放送局3社(KBS、MBC、SBS)すべてで演技大賞を受賞した唯一の俳優であり、文字通り「生きる伝説」です。彼女の演技は、単なる母親役にとどまらず、韓国の歴史や女性の哀歓そのものを体現しているかのような深みがあります。
今回は、そんな名優コ・ドゥシムの演技の幅広さと、人間的な魅力に触れられるおすすめ作品を年代順に5つ厳選してご紹介します。
コ・ドゥシムのプロフィールと演技の魅力
コ・ドゥシムは1951年生まれ、済州島出身。済州島は彼女のアイデンティティそのものであり、「済州の娘」としても知られています。デビュー以来、数え切れないほどの作品で母親役を演じ、「国民の母」という称号を得ました。
彼女の魅力は、見る者の心を揺さぶる「情」の表現です。子供のために全てを犠牲にする姿には涙し、理不尽な世の中に怒る姿には共感せずにはいられません。近年では、ロマンス映画のヒロインや超能力を持つ母親など、従来のイメージを覆す役柄にも挑戦し、70代になっても進化し続ける姿は多くの人々に勇気を与えています。
コ・ドゥシム出演 おすすめドラマ・映画5選
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『ホジュン~伝説の心医~』(2013年)
朝鮮時代の名医ホ・ジュンの生涯を描いた歴史大作。コ・ドゥシムは、主人公ホ・ジュンの母親、ソン氏を演じました。
身分の低い側室という立場でありながら、息子を立派な医師にするためにすべてを捧げる慈愛に満ちた母親像を熱演しています。彼女の静かですが力強い眼差しと、息子を思う切々としたセリフは、視聴者の涙腺を崩壊させました。時代劇における「母の愛」の極致を見せてくれる作品です。
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『ディア・マイ・フレンズ』(2016年)
配信:Amazonプライム など人生の黄昏時を迎えたシニアたちの愛と友情を描いた、心温まるヒューマンドラマ。彼女は、娘(コ・ヒョンジョン)と喧嘩ばかりしている母親、チャン・ナンヒを演じました。
「国民の母」というよりは、どこにでもいそうな「口うるさくて現実的なお母さん」をリアルに演じています。娘への過干渉や自身の老いへの不安、そして友人たちとの絆。綺麗事だけではない親子の葛藤を赤裸々に描き出し、多くの女性視聴者から「うちのお母さんを見ているようだ」と共感を呼びました。
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映画『輝く瞬間』(2021年)
配信:Amazonプライム , U-NEXT など済州島の海女と、ドキュメンタリー撮影のために訪れた若いプロデューサーとの心の交流を描いた映画。コ・ドゥシム自身の故郷である済州島で撮影され、33歳年下のチ・ヒョヌとのロマンスが話題となりました。
この作品での彼女は、ただの「おばあちゃん」ではなく、一人の「女性」として描かれています。海に生きる海女としての逞しさと、ふと訪れた愛にときめく少女のような表情のギャップが美しく、ローマ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞するなど、世界的にも高く評価されました。
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『カーテンコール』(2022年)
配信:Prime Video (独占配信)余命宣告を受けた祖母の「生き別れた孫に会いたい」という願いを叶えるため、売れない役者が孫になりすます感動の物語。コ・ドゥシムは、巨大ホテルチェーンの創設者であり、北朝鮮に家族を残してきたチャ・グムスンを演じました。
激動の時代を生き抜き、ホテル王となったカリスマ性と、生き別れた家族を思い続ける悲しみを背負った女性を見事に演じきっています。偽物の孫(カン・ハヌル)に向ける温かい笑顔と、死期を悟った時の静かな佇まいは、ドラマ全体に重厚な品格を与えています。
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『ヒーローではないけれど』(2024年)
配信:Netflix (独占配信)現代病によって超能力を失った家族と、そこに現れた不思議な女性を描くファンタジーロマンス。彼女は、予知夢を見る能力を持つ一家の母、ボク・マンフムを演じています。
不眠症のために予知夢が見られなくなったというユニークな設定で、コミカルでありながらもどこかミステリアスな役柄です。家族を支配しようとする強烈な性格と、その裏にある脆さを巧みに表現しており、70代になっても新しいジャンルに挑戦し続ける彼女の凄みを感じられる最新作です。
まとめ
コ・ドゥシムは、作品ごとにその「母」の顔を変え、私たちに深い感動と人生の教訓を与えてくれます。彼女が画面に映るだけで安心感を覚えるのは、彼女が役を通して注ぐ愛情が本物だからではないでしょうか。
今回紹介した5作品は、時代劇から現代劇、ロマンスまで多岐にわたります。どの作品でも、韓国最高の女優と呼ばれる彼女の圧倒的な演技力と人間力を堪能できるはずです。