第7回:【数詞・量詞②】よく使う数量表現
中国語文法学習の第7回、前回に引き続き「数詞」と「量詞」の応用編です。前回は「数詞+量詞+名詞」という基本ルールと「二/两」の使い分けを学びました。
今回は、会話で使えたら一気に中国語が「っぽく」なる、実用的な数量表現をマスターします。万能の量詞 个 (gè) の正しい使い方から、「すこし」を意味する 一点儿 (yìdiǎnr) と 一些 (yìxiē) の違い、「ちょっと」を意味する 一会儿 (yìhuìr) と 一下 (yíxià) の違いまで、詳しく解説します!
万能の量詞「个 (gè)」は万能か?
个() は、最も使用範囲が広い量詞です。日本語の「~個」に近いですが、それ以上に多くの名詞に使えます。
- 人:一个人() - 一人の人
- 抽象的なもの:一个问题() - 一つの問題
- 果物など:三个苹果() - 3個のリンゴ
「个」は万能ではない!
会話でとっさに正しい量詞(本 (běn) や 张 (zhāng) など)が出てこない時、ネイティブも口語で 个 を代用することがあります。(例:一个面包() - 1個のパン)
しかし、これはあくまで口語的な「ごまかし」です。本来 本 (běn) を使うべき「本」を 一个书 と言ったり、只 (zhī) を使うべき「猫」を 一个猫 と言ったりすると、子供っぽい、あるいは外国人的な中国語に聞こえてしまいます。
便利な 个 ですが、頼りすぎず、正しい量詞を地道に覚えていくことが重要です。
「一个 (yí ge)」と「个 (gè)」の違い
口語では、数量が「1」の場合、数詞の 一 (yī) がよく省略されます。
- 我是一个学生。()
→(口語)我是个学生。()
(どちらも「私は一人の学生です」) - 我有一个问题。()
→(口語)我有个问题。()
(どちらも「私には一つ質問があります」)
この省略は、数詞が「1」の時にしか起こりません。「2」の 两 (liǎng) などは省略できません。
特殊な数量詞「俩 (liǎ)」
俩() は、「两个 (liǎng ge)」が合体して一音になった口語表現です。「2つ」「2人」という意味を持ちます。
最重要ルール:俩 (liǎ) = 两个 (liǎng ge)
俩 の中には、すでに量詞の 个 の意味が含まれています。そのため、俩 の後ろに 个 をつけてはいけません。
- 正しい:我们俩() - 私たち2人
- 正しい:俩人() - 2人(两个人 と同じ)
- 間違い:我们俩个 () ← 个 が重複していて間違い!
- 例:咱们俩去吧。() - 私たち2人で行こうよ。
※同様の表現に「3人、3つ」を意味する 仨 (sā)(=三个 (sān ge))もありますが、俩 ほどは使われません。
頻出表現:「すこし」と「ちょっと」
会話で非常によく使う「すこし(の量)」と「ちょっと(の時間)」の表現です。これらはセットで(数量詞連語)と呼ばれます。
「すこし」(量):「一点儿 (yìdiǎnr)」と「一些 (yìxiē)」
どちらも「少しの量、いくつか」という不定の数量を表します。
- 一点儿():
口語的。「少しばかりの」。儿 (er) は省略されることもあります(一点)。数えられない名詞にも数えられる名詞にも使えます。
例:我想喝一点儿水。() - 私は水を少し飲みたい。 - 一些():
やや書き言葉的。「いくつか、多少」。一点儿 よりも少し量が多いニュアンスで、数えられる名詞によく使われます。
例:这里有一些问题。() - ここにはいくつかの問題がある。
使い分け(文中の位置):
- 動詞の後(目的語として): (動詞) + 一点儿 / 一些
例:你吃一点儿吧。() - 少し食べなよ。 - 形容詞の後(程度を補足): (形容詞) + 一点儿
例:便宜一点儿。() - もう少し安くして。 - 名詞の前(修飾語として): (動詞) + 一点儿 / 一些 + (名詞)
例:买一点儿东西。() - 少し買い物をする。
「ちょっと」(時間・動作):「一会儿 (yìhuìr)」と「一下 (yíxià)」
どちらも「ちょっと」と訳せますが、意味が異なります。
- 一会儿():
「少しの時間」(時間の長さを表す)。
例:请等一会儿。() - 少々お待ちください。(待つという動作が「少しの時間」続く) - 一下():
「(動作を)ちょっとする、1回」(動作の回数を表す「動量詞」)。動作を軽く試みる、あるいは語気を和らげるニュアンス。
例:请等一下。() - ちょっと待ってください。(「待つ」という動作を1回してください)
使い分け(文中の位置):
どちらも動詞の後ろに置かれますが、ニュアンスが違います。
一下 (yíxià) は「(動作を)1回、サッと」というニュアンス。
一会儿 (yìhuìr) は「(動作を)少しのあいだ」という持続的なニュアンス。
例:看一下() - ちょっと見る(サッと見る動作)
例:看一会儿() - しばらく見る(見る動作を一定時間続ける)
「一」とセットで使う動量詞(動作の回数)
前回学んだ「動量詞(動作を数える)」の中には、一下 (yíxià) のように、数詞の「一」と結びついて特殊なニュアンスを持つものが多くあります。
- 一下() - 「(動作を)ちょっとする」
最もよく使われる表現。動作を試みたり、語気を和らげたりします。
例:我介绍一下。() - ちょっと紹介します。 - 一遍() - 「(最初から最後まで)一通り」
動作の全過程を1回行うことを強調します。
例:请你读一遍。() - 一通り読んでください。 - 一趟() - 「(往復)一回」
主に「行く」「来る」「帰る」などの動詞につき、往復の回数を表します。
例:我去一趟银行。() - 私は銀行へ一往復してきます(ちょっと行ってきます)。 - 一顿() - 「(食事を)一回」、「(叱ったり殴ったり)一発」
例:吃一顿饭() - 一食食べる
例:骂了他一顿() - 彼をこっぴどく叱った