【大人の学び直し英語】使役動詞・感覚動詞 (make, see, hear) の使い方
英語を学び直す中で、5文型(SVOC)は非常に重要です。例えば、You make me happy.(あなたは私を幸せにする)は、me = happy の状態を make する、という典型的なSVOCです。
では、次の文はどうでしょうか?My boss made me work late. (上司は私に遅くまで働かせた。)
me の後に happy のような形容詞ではなく、work という「動詞の原形」が来ています。to work ではないことに違和感を覚えるかもしれません。
これこそが、中学英語の難所の一つである「使役動詞」と「感覚動詞」の特殊ルールです。この記事では、なぜ to が消えるのか(原形不定詞)、そしてネイティブがどう使い分けているのかを徹底解説します。
SVOCの応用:「原形不定詞」とは?
使役動詞 (make, let, have) や感覚動詞 (see, hear, feel) は、第5文型(SVOC)を取りますが、その C(補語)の部分に「動詞の原形」を置くことができる特殊な動詞です。
この「動詞の原形」のことを、文法用語で原形不定詞と呼びます。
なぜ to がつかないのでしょうか?to には本来「~に向かって」という方向・到達点の意味があり、動作の間に「一呼吸」置くような距離感があります。しかし、使役動詞や感覚動詞が表すのは、「強制的にさせる」「(今まさに)見える・聞こえる」といった、OとCの間に距離がない、直接的で同時的な結びつきです。
O と C の関係が O C (OがCする) とほぼ一体化しているため、to を挟む余地がない、とイメージすると分かりやすいでしょう。
1. 使役動詞 (make, let, have):「OにCさせる」
「使役」とは「(人)に(〜)させる」という意味です。強制力の強さで使い分けます。
make O C (原形): 「強制的に〜させる」
最も強制力が強い「させる」です。Oの意思に関わらず、Sの力で行動させます。
The movie made her cry. (その映画は彼女を泣かせた。)
→ her = cry (彼女が泣く) 状態を映画が「強制的に」作り出した。
Don't make me say it again. (何度も言わせるな。)
have O C (原形): 「(当然のこととして)〜してもらう」
make ほどの強制力はありません。「仕事や役割として当然やってもらう」「そういう状況にする」というニュアンスです。ビジネスやサービスでよく使われます。
I'll have my assistant call you back. (アシスタントに折り返し電話させます。)
→ my assistant = call (アシスタントが電話する) のが当然の仕事だから、そう手配する。
I had the mechanic check my car. (整備士に車をチェックしてもらった。)
let O C (原形): 「(許可して)〜させてあげる」
使役動詞の中で唯一「許可」を表します。「Oが〜したいのを許す」というイメージです。
My parents let me go to the concert. (両親は私をコンサートに行かせてくれた。)
→ me = go (私が行く) のを「許可」してくれた。
Let me know what you think. (どう思うか教えてください。)
2. 感覚動詞 (see, hear, feel): 「OがCするのを見る/聞く/感じる」
五感で「OがCする」という動作を捉える動詞です。ここでも O と C の動作は直接的で同時的です。
see O C (原形): 「Oが〜するのを(最初から最後まで)見る」
I saw a bird build a nest. (鳥が巣を作るのを見た。)
→ a bird = build (鳥が作る) のを一部始終見た、というニュアンス。
hear O C (原形): 「Oが〜するのが聞こえる」
I heard someone shout my name. (誰かが私の名前を叫ぶのが聞こえた。)
→ someone = shout (誰かが叫ぶ) のを耳が捉えた。
feel O C (原形): 「Oが〜するのを感じる」
She felt her heart beat faster. (彼女は心臓が速く鼓動するのを感じた。)
→ her heart = beat (心臓が鼓動する) のを肌感覚で捉えた。
【応用】感覚動詞 + -ing (現在分詞) との違い
感覚動詞は、C の部分に原形不定詞だけでなく「現在分詞 (-ing)」も取ることができます。これはネイティブが臨場感を表現するために使い分ける重要なポイントです。
- 原形 (see O do): 動作の「全体」。「〜するのを(最初から最後まで)見た」という完了のニュアンス。
- -ing (see O doing): 動作の「途中」。「〜しているところを見た」という臨場感や一瞬のニュアンス。
【比較】
1. I saw him cross the street.
(彼が通りを渡るのを見た。→ 渡り始めから渡り終えるまで、動作の全体を見た)
2. I saw him crossing the street.
(彼が通りを渡っているところを見た。→ 渡っている最中の一場面を見た。臨場感がある)
【最重要】受動態になると "to" が復活する
これがテストや資格試験で頻繁に問われる最重要ルールです。make や see などが受動態(〜させられる、〜を見られる)になると、消えていた to が復活します。
- 能動態 (SVO+原形)
My boss made me work late. - 受動態 (be made to do)
I was made to work late by my boss.
- 能動態 (SVO+原形)
We saw him enter the building. - 受動態 (be seen to do)
He was seen to enter the building.
※ let は通常この形の受動態にはならず、be allowed to do (〜することを許可される) が使われます。
まとめ
今回は、5文型(SVOC)の応用編として、C に「動詞の原形」が来る特殊なパターンを学びました。
| 動詞の種類 | 主な動詞 | 形 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 使役動詞 | make |
O + 原形 | Oに(強制的に)〜させる |
have |
O + 原形 | Oに(当然のこととして)〜してもらう | |
let |
O + 原形 | Oに(許可して)〜させてあげる | |
| 感覚動詞 | see, hear, feel |
O + 原形 | Oが〜するのを(全体)見る/聞く |
| O + -ing | Oが〜しているのを(途中)見る/聞く |
そして、最も重要なルールは「受動態になると to が復活する」ことです。これらの動詞は英語の表現力を一気に豊かにします。例文を音読しながら、感覚を掴んでいきましょう。練習問題の記事も見てください。
【大人の学び直し英語】使役動詞・感覚動詞ドリル | make/see/have/get の使い方と受動態をクイズでマスター - 月影