🇨🇳 中国語文法マスター講座③:【名詞②】時間と場所の表し方(方位詞)
こんにちは!中国語文法マスター講座の第3回です。前回は名詞の基本と、超重要な「们」の使い方について学びました。
今回は名詞の続編として、名詞の中でも特に特殊な働きをする「時間名詞」と「場所名詞」に焦点を当てます。
特に「場所」を表すためのキーアイテムである「方位詞(ほういし)」(上、下、里、外など)は、中国語の存在文(~に~がある)や介詞(~で)を理解する上で避けて通れない最重要項目です。
「机の上」は中国語で?「学校の中」は? この機会にしっかりマスターしましょう!
時間名詞(時間詞)とは?
時間名詞(時間詞)とは、その名の通り「時間」や「時」を表す名詞のことです。
- 今天() - 今日
- 明天() - 明日
- 去年() - 去年
- 早上() - 朝
- 星期天() - 日曜日
これらは名詞でありながら、文法上、非常に特殊な性質を持っています。
【時間名詞の特殊ルール】
時間名詞は、名詞でありながら「副詞」のように振る舞い、動詞の前に直接置くことができます。
日本語の「**『に』**(例:明日に、朝に)」や英語の「**on / at**(例:on Monday)」のような助詞や前置詞(中国語の介詞)を必要としないことが多いのが最大の特徴です。
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我 明天 去 学校。()
訳:私は明日、学校に行きます。
(× 我在明天去学校 とは普通言いません)
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他 早上 喝 咖啡。()
訳:彼は朝、コーヒーを飲みます。
「時間(期間の長さ)」と「時点(時刻)」
時間を表す言葉には、大きく分けて2種類あります。
- 時点(時刻):ある一点を指す時間(例:3時、今、来年)
- 時間(期間):ある程度の長さを持つ時間(例:3時間、1日、1年)
中国語でもこの区別は重要です。特に「時点」は上で見たように副詞的に使えますが、「期間」は動詞の後ろに置かれることが多いです。(これはまた別の機会に詳しく解説します)
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(時点):我 三点 出发。() - 私は3時に出発します。
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(期間):我 学习了 三个 小时。() - 私は3時間勉強しました。
場所名詞(場所詞)とは?
場所名詞(場所詞)とは、文字通り「場所」を表す名詞です。これには2種類あります。
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それ自体が明確な場所を表す名詞
- 例:中国()、学校()、公司()
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指示代詞や疑問代詞(+方位詞)
- 例:这里 / 这儿() - ここ
- 例:那里 / 那儿() - そこ、あそこ
- 例:哪里 / 哪儿() - どこ
場所名詞は、在()(~にいる/ある)、去()(~へ行く)、来()(~へ来る)などの動詞や介詞と一緒に使われるのが基本です。
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我 在 学校。()
訳:私は学校にいます。
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你 去 哪里?()
訳:あなたはどこに行きますか?
超重要!「方位詞」と「場所の作り方」
さて、ここからが本番です。「学校」や「中国」はそれ自体が場所ですが、「机の上」「家の中」「駅の前」はどう言えばいいでしょうか?
桌子()は「机」という「モノ」であり、「場所」ではありません。これを「場所」に変える魔法のアイテムが「方位詞(ほういし)」です。
方位詞とは?
方位詞は、位置や方向を示す特殊な名詞です。これには1音節のものと2音節のものがあります。
単純方位詞(1音節)
基本的な位置を示します。単独で使われることは少なく、主に他の単語の後ろにくっつきます。
- 上() - 上
- 下() - 下
- 里() - 中、内側
- 外() - 外、外側
- 前() - 前
- 后() - 後ろ
- 旁() - そば
合成方位詞(2音節)
単純方位詞に 边()、面()、头() などがついたもので、これらは単独でも場所詞として使いやすいです。
- 上边 / 上面 / 上头() - 上、上側
- 里边 / 里面 / 里头() - 中、内側
- 前边 / 前面 / 前头() - 前、前側
- 旁边() - そば、隣
場所詞となる方位連語(モノ → 場所 へ)
これが中国語の場所表現の核心です。
【場所の作り方】
普通の名詞(モノ) + 方位詞 = 場所名詞
この組み合わせを「方位連語」と呼び、これが文中で「場所」として機能します。
- 桌子() [モノ:机] + 上() [方位詞] → 桌子上() [場所:机の上]
この「場所」を使って、文を作ってみましょう。
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桌子上 有 一本书。()
訳:机の上に本が一冊あります。(存在文)
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猫 在 椅子下。()
訳:猫は椅子(椅子)の下にいます。
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学校 里 有 很多 学生。()
訳:学校の中にはたくさんの学生がいます。
(※学校はそれ自体が場所名詞ですが、「~の中」を強調するために里をつけることも非常に多いです)