🇨🇳 中国語文法マスター講座②:文の主役!「名詞」の基本と種類を徹底解剖
こんにちは!中国語文法マスター講座の第2回です。前回の第1回では、中国語の文法地図とも言える「品詞」の全体像(実詞と虚詞、体詞と述詞)について学びました。
今回からはいよいよ、具体的な品詞の世界に入っていきます。トップバッターは、文の中で最も重要な「主役」や「対象」となる、「名詞(めいし)」です。
「名詞」と聞くと「モノの名前でしょ?」と簡単そうに思えるかもしれませんが、中国語の名詞には英語や日本語とは異なる、非常に重要なルールがいくつか存在します。特に、複数の人を表す「们」の使い方は最重要ポイントです。
それでは、名詞の基本的な性質から見ていきましょう!
名詞の文法的性質(名詞は文のどこに置く?)
まず、第1回のおさらいです。名詞は「実詞」であり「体詞」の代表格でした。これは、名詞が文の中でどのような役割を果たすかを示しています。
【名詞の主な性質】
- 文の「主語」または「目的語」になる。
- 「很 (hěn)」などの程度副詞で直接修飾されない。
- 数量詞(数+量詞)で修飾される。
これらを例文で具体的に見てみましょう。
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(主語と目的語になる例)
我 (主語) 是 学生 (目的語)。()
訳:私(名詞)は 学生(名詞)です。
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(程度副詞で修飾されない例)
× 很 学生 ()
「とても学生」とは言えません。「とても(状態)」を表す副詞很()は、形容詞(例:很好)や一部の動詞は修飾できますが、名詞は修飾できません。
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(数量詞で修飾される例)
一个 学生()
訳:一人の学生。「一(数詞)+个(量詞)+学生(名詞)」という形は、中国語の非常に基本的なパターンです。
名詞のグループ分け(下位分類)
名詞は、その性質によっていくつかのグループに分けることができます。英語の文法で聞いたことがあるものも多いですね。代表的なものを紹介します。
可算名詞と不可算名詞
英語では「数えられる名詞(可算)」と「数えられない名詞(不可算)」の区別が非常に厳格ですが、中国語では少し様子が違います。
- 可算名詞 (kěsuàn míngcí):数えられる名詞。
- 例:书() - 本 → 一本 书()
- 例:人() - 人 → 一个 人()
- 不可算名詞 (bùkěsuàn míngcí):本来は数えられない名詞。
- 例:水() - 水、钱() - お金
ただし、中国語では不可算名詞であっても、「量詞」を使うことで「数える」ことが可能です。
- 一杯 水() - 一杯の水
- 一块 钱() - 1元(のお金)
中国語の名詞は、「基本的にすべて『量詞』を介して数える」と覚えておくと分かりやすいです。
集合名詞 (jíhé míngcí)
複数の成員からなる集団全体を指す名詞です。
- 人民() - 人民
- 车辆() - 車両(複数の車)
- 人口() - 人口
これらの単語は、それ自体が「集まり」を意味するため、通常、後述する複数形の「们」をつけません。
抽象名詞 (chōuxiàng míngcí)
形がなく、具体的な姿で捉えられない概念や事柄を表す名詞です。
- 文化() - 文化
- 爱情() - 愛情
- 思想() - 思想
固有名詞 (gùyǒu míngcí)
特定の個人、場所、組織などに固有の名前です。ピンインの先頭の文字は通常、大文字で表記されます。
- 中国() - 中国
- 北京() - 北京
- 李 老师() - 李先生
超重要!複数の「人」を表す接辞「们 (men)」
今回学ぶ内容で、最も重要で、学習者が間違いやすいのが、この接辞「们 (men)」です。
英語は「s」をつけると複数形になりますが、中国語はどうでしょうか?中国語では、「们」という接辞を特定の単語の後ろにつけることで複数を表します。
【「们」の基本ルール】
「人」を表す名詞や代詞の後ろにつけて、複数を表す。
- 我() → 我们()(私たち)
- 你() → 你们()(あなたたち)
- 他() → 他们()(彼ら)
- 老师() → 老师们()(先生たち)
- 学生() → 学生们()(学生たち)