“アジアの憂いの王子” ヴィック・チョウ(周渝民)の魅力とおすすめドラマ5選
イントロダクション:伝説のF4から実力派俳優へ
2000年代初頭、アジア全土で社会現象を巻き起こした台湾ドラマ『流星花園~花より男子~』。その中で、物憂げな瞳とミステリアスな魅力で「花沢類」役を演じ、アジア中の女性の心を奪ったのが、ヴィック・チョウ(周渝民)です。伝説のアイドルグループ「F4」のメンバーとして一世を風靡した彼は、今やアイドルという枠を超え、台湾のみならず中国本土でも活躍する、深みのある実力派俳優へと見事な変貌を遂げています。
甘いマスクはそのままに、年齢を重ねたからこそ出せる円熟味と、時にアイドルイメージを覆すようなシリアスな役柄への挑戦で、新たなファンを獲得し続けています。今回は、そんなヴィック・チョウの輝かしいキャリアと、彼の多彩な魅力が詰まった代表的なドラマ5作品をご紹介します。
ヴィック・チョウのプロフィールと演技の魅力
ヴィック・チョウは1981年6月9日生まれ、台湾出身。愛称は「仔仔(ザイザイ)」。2001年、友人のオーディションに付き添った際、プロデューサーの目に留まり、ドラマ『流星花園~花より男子~』の花沢類役で俳優デビュー。これが空前の大ヒットとなり、共演者と「F4」を結成。アジアのトップアイドルとして絶大な人気を誇りました。
彼の魅力は、デビュー当時から変わらないその憂いを帯びた美しいビジュアルと、静かな佇まいです。しかし、彼の真価はアイドルとしての人気だけではありません。F4活動後、『戦神~MARS~』や『ブラック&ホワイト』などで複雑な内面を持つ役柄を演じ、アイドルから「俳優」への脱皮に成功。台湾のゴールデン・ベル・アワード(金鐘奨)で主演男優賞を受賞するなど、演技派としての地位を確立しました。近年は中国の大型時代劇や、骨太なサスペンスドラマにも挑戦し、その演技の幅をさらに広げています。
ヴィック・チョウ出演 おすすめドラマ5選
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『流星花園~花より男子~』(2001年)
配信:U-NEXT , TSUTAYA DISCAS (レンタル) など。2025年10月時点
ヴィック・チョウ、そしてアジアの華流ブームの伝説はここから始まりました。日本の大人気コミックを原作とした台湾版『花より男子』。彼が演じたのは、F4のメンバーで、物静かでミステリアスな美青年・花沢類(ホアゼーレイ)。ヒロイン・つくし(牧野杉菜)を陰から見守る姿と、その切ない眼差しは、当時の多くのアジア女性の理想の王子様像となり、彼を不動のスターダムへと押し上げました。
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『君につづく道』(原題:美味關係)(2007年)
配信:U-NEXTなど。2025年10月時点
日本のコミック『美味関係』を原作としたラブストーリー。ヴィック・チョウは、無愛想だが天才的な腕を持つシェフ・織田圭二(方織田)役を演じました。ヒロインとの師弟関係から始まる恋模様を描いています。F4のメンバーであるヴァネス・ウー(呉建豪)とも共演しており、F4時代とは異なる、少し大人になった彼の魅力が詰まった作品です。
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『如歌(じょか)~百年の誓い~』(原題:烈火如歌)(2018年)
配信:tsutaya discas , DMM TV など。2025年10月時点
ヴィック・チョウが満を持して中国の本格時代劇ロマンスに主演した話題作。ヒロイン(ディリラバ)を百年にわたって見守り続ける、美しくミステリアスな仙人・銀雪(ぎんせつ)役を演じました。その圧倒的な美しさと、全てを包み込むような優しさ、そして運命に立ち向かう強さを兼ね備えた役柄は、まさに彼にしか演じられないと絶賛されました。彼の「古装(時代劇)姿」の美しさは必見です。
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『大宋宮詞~愛と策謀の宮廷絵巻~』(原題:大宋宫词)(2021年)
『如歌』に続き、中国の重厚な歴史ドラマで主演を務めた作品。ヴィック・チョウは、北宋の第3代皇帝・真宗(趙恒 / チャオ・ヘン)役を演じました。皇太子になる前から運命の女性・劉娥(リウ・タオ)と出会い、数々の反対や陰謀を乗り越えて彼女を皇后へと押し上げていく、一途な愛と皇帝としての葛藤を描いています。青年期から晩年までという長いスパンを演じきり、彼の俳優としての円熟味を感じさせます。
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『追撃者~逆局~』(原題:逆局)(2021年)
配信:U-NEXT (独占レンタル), Prime Video (チャンネル) など。2025年10月時点
これまでの彼のイメージを覆す、骨太なクライムサスペンス。ヴィック・チョウが演じたのは、無実の罪で収監されているプロファイラー、リャン・イェンドン。連続殺人事件の捜査協力を条件に、刑務所の中から事件の謎を追います。減量して役に臨み、無精髭と囚人服姿で、知性と狂気を併せ持つ難役を熱演。アイドル「仔仔」の面影を消し去った鬼気迫る演技は、俳優としての彼の新境地を示し、高い評価を受けました。
まとめ
ヴィック・チョウは、『流星花園』という伝説的なデビューから20年以上が経過した今もなお、アジアの第一線で輝き続ける稀有な俳優です。憂いを帯びた「花沢類」から、一途な愛を貫く皇帝、そして知的な犯罪プロファイラーまで、その役柄は驚くほど多彩です。
彼の魅力は、時を経ても変わらない美しさと、年齢と経験を重ねたからこそ滲み出る大人の色気と演技の深みにあります。ぜひ、彼の出演作を通じて、アジアのトップスターが歩んできた軌跡とその進化を感じてみてください。