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日々の雑感

国別の男女の平均寿命の差を深掘り〜アルコール体質と社会インフラの視点から

 

国別の男女の平均寿命の差

「女性は男性より長生き」

これは、世界中の多くの国で「当たり前」とされている現象です。実際、WHO(世界保健機関)のデータを見ても、ほぼすべての国で女性の平均寿命は男性を上回っています。

しかし、その「差」がどれくらいあるかは、国によって大きく異なります。

例えば、アルコール消費量が非常に多いことで知られるロシアなどの国々では、男女の平均寿命の差が10年以上に達することもあります。これは世界的に見ても非常に大きな差です。

一方で、イスラム教徒が多数を占める国々(中東や北アフリカ、アジアの一部)では、この男女の寿命の差が比較的小さい傾向にあります。

日本やイギリスなどの国々はその間になっています。

各国の平均寿命の比較(男女差)

実際のデータを見てみると、その差は一目瞭然です。アルコール消費が(宗教的に)禁止されてるイスラム諸国のクエートと、そうでない国々を比べてみましょう。

※OECD Health at a Glance 2025、WHO、Worlddata.info等の最新データに基づく
国名 分類 1人当たりアルコール消費量 男性の平均寿命 女性の平均寿命 男女差
クウェート 禁酒文化 ほぼ0 L 82.7歳 83.7歳 1.0年
イギリス 飲酒文化 9.3 L 81.0歳 84.8歳 3.8年
アメリカ 飲酒文化 8.5 L 75.8歳 81.1歳 5.3年
日本 飲酒文化 6.7 L 84.1歳 89.7歳 5.6年
ロシア 飲酒文化 10.5 L 68.0歳 79.0歳 11.0年

なぜ男女で寿命に差が出るのか?

男女の寿命に差が生まれる理由は、単一の要因ではなく、複数の要素が複雑に絡み合っています。

  1. 生物学的な要因
    女性ホルモンの血管保護作用や、X染色体の二重保有など、女性には生物学的にもともと長生きしやすいアドバンテージがあると言われています。
  2. 生活習慣と遺伝的体質のミスマッチ
    男性は「喫煙」や「過度な飲酒」といったリスク行動を取りやすい傾向にあります。特に日本人の場合、お酒に弱い遺伝的体質を持ちながら、社会的圧力で飲酒を継続することが、男性の健康リスクを増幅させています。
  3. 社会・環境インフラの活用度
    医療へのアクセスや健康意識の差です。日本女性は世界で最も健康的な生活習慣を持つ一方、アメリカのように女性が飲酒・喫煙といったリスク行動が増加している国では、男女差が縮まる傾向にあります。

「お酒」は男性の寿命を不均衡に縮めている

世界的に見て、お酒が原因で亡くなる人の数は、男性が女性を圧倒的に上回っています。

WHOの報告によれば、2019年にアルコールが原因で亡くなった260万人のうち、なんと200万人は男性でした。

これは、世界的に男性の方が飲酒量が多く、一度に大量に飲むといった危険な飲酒習慣に陥りやすいためです。過度な飲酒は、肝臓の病気、がん、心臓や血管の病気を引き起こすだけでなく、事故や暴力による死亡リスクも高めます。

つまり、お酒をたくさん飲む国ほど、男性の寿命が著しく押し下げられ、結果として男女の寿命の差が大きく開いてしまうのです。