わかる中国語文法⑪:「~しに行く」「~させる」連動文・兼語文の作り方
こんにちは!中国語文法シリーズの第11回です。
第10回までで、基本的なSVO文や「是・在・有」を使った文をマスターしました。これまでの文は、基本的に「一つの動作(述語)」が中心でした。
しかし、私たちが話す内容はもっと複雑ですよね。「図書館に行って本を読む」「彼に宿題をさせる」のように、1つの文に2つ以上の動作が登場することがよくあります。
今回は、こうした複雑な動詞文の代表である「連動文 (liándòngwén)」と「兼語文 (jiānyǔwén)」を学びます。これをマスターすれば、表現の幅が劇的に広がります!
「~させる」「~頼む」兼語文 (Pivotal Sentence)
まず、非常に重要な「兼語文」から見ていきましょう。これは、「誰かに〜させる/頼む」という使役や依頼を表す文型です。
構造: S + V1 (使役/依頼動詞) + O/S2 (人) + V2 (動作)
この文の最大の特徴は、V1の目的語(O)が、同時にV2の主語(S2)を「兼ねている」点です。この `O/S2` の部分を「兼語」と呼びます。
(例)`我[V1:让][O/S2:他][V2:去]` → 私は彼に行かせる。(彼が、行く)
この形を作る代表的な動詞 `V1` を覚えましょう。
- 让() - 〜させる(使役)、〜してもらう(許可)
妈妈让我去买东西。() - 母は私に買いに行かせた。 - 叫() - 〜させる、〜するように言う(指示)
老师叫学生读课文。() - 先生は学生に本文を読むよう言った。 - 请() - 〜してもらう(依頼)、〜にごちそうする(招待)
我请你吃饭。() - 私はあなたに食事をごちそうします。
動作が連続する「連動文」 (Serial Verb Sentence)
次に「連動文」です。これは、1人の主語が、2つ以上の動作を連続して行うことを表す文型です。動作は基本的に起こった順番に並べます。
構造: S + V1 (+ O1) + V2 (+ O2) ...
「〜して、〜する」と訳せます。この文型には、動作の目的や方法を表す重要な使い方があります。
1. 動作の連続
単純に、動作が順番に発生します。
- 他开门进来了。() - 彼はドアを開けて入ってきた。
- 我坐着看书。() - 私は座って本を読んでいる。
2. 動作の目的
「V2」が「V1」の目的を表します。「V2 しに V1 する」という意味になります。
- 我去图书馆看书。() - 私は図書館へ本を読みに行く。
- 他来中国学习汉语。() - 彼は中国へ中国語を勉強しに来た。
3. 動作の方式
「V1」が「V2」の「方法・手段」を表します。「V1(の方法)で V2 する」という意味になります。
- 我用筷子吃饭。() - 私は箸を使って食事をする。
- 他坐飞机去上海。() - 彼は飛行機に乗って上海へ行く。
主述連語が文の成分になる文
最後に、文がさらに複雑になるパターンとして、「主語+述語」のカタマリ(主述連語)が、そのまま文の「述語」や「賓語」になるケースを紹介します。
1. 述語に主述連語を用いる文
「S + [S' + V']」の形。「彼(S)は、[背が(S')高い(V')]」のように、主語の状態をより具体的に説明します。
- 他身体很好。() - 彼は健康です。(彼の[体はとても良い])
- 这件衣服颜色很漂亮。() - この服は色がきれいです。(この服は[色がとてもきれいだ])
2. 賓語に主述連語を用いる文
「S + V + [S' + V']」の形。「知る」「思う」「感じる」などの知覚・思考動詞の目的語(〜ということ)として使われます。
- 我知道他来了。() - 私は彼が来たことを知っている。
- 我觉得这本书很有意思。() - 私はこの本はとても面白いと思う。