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【大人の学び直し英語】動名詞 (~ing) の完全ガイド|不定詞 (to do) との違い・使い分けを徹底解説

【大人の学び直し英語】動名詞 (~ing)の完全ガイド

英語を学び直す中で、多くの人がつまずくのが「動名詞」と「不定詞」の使い分けです。I like playing tennis.I like to play tennis. のどちらも聞いたことがあるけれど、どう違うの? なぜ I enjoy playing tennis. とは言うのに I enjoy to play tennis. とは言わないの?

こうした疑問は、学生時代に「動名詞だけを目的語にとる動詞」として `enjoy`, `stop`, `finish`... と丸暗記させられた記憶から来ています。

この記事では、「なぜ」そうなるのかという根本的なイメージの違いから、動名詞 (~ing) の役割をスッキリと整理します。このルールが分かれば、もう使い分けに迷うことはありません。

1. 動名詞の「正体」とは? - 「~すること」という名の名詞

動名詞の形は「動詞の原形 + ing」です。その名の通り、「動詞」を「名詞」に変身させる働きがあります。

不定詞 (to do) も「~すること」と訳せましたが、動名詞 (~ing) も同じく「~すること」という意味の**名詞のカタマリ**を作ります。

名詞なので、文の中で「主語(S)」「目的語(O)」「補語(C)」になることができます。

[主語 (S) になる例]

Studying English is difficult.
(英語を勉強すること = 難しいです)

[目的語 (O) になる例]

I enjoy running.
(私は楽しむ / 走ること を)

[補語 (C) になる例]

My hobby is collecting stamps.
(私の趣味 = 切手を集めること です)

2. 最大の壁!不定詞 (to do) との使い分け

では、同じ「~すること」を意味する不定詞 (to do) と動名詞 (~ing) は、どう使い分ければよいのでしょうか。これは、それぞれの言葉が持つ「イメージ」で区別するのが一番です。

【イメージの違い】

  • 不定詞 (to do):「これから~すること」(未来志向・一回限り
    to が持つ「→ (矢印)」のイメージ通り、まだ実現していない未来の行動や、特定の場面での一回きりの行為を指します。
  • 動名詞 (~ing):「(すでに)~していること」(過去・習慣志向・リアルな行為
    ~ing が持つ「今まさにやっている」という躍動感から、すでに経験した過去の行為や、習慣的に繰り返している一般的な行為を指します。

このイメージが分かると、なぜ動詞によって使い分けが必要なのかが見えてきます。

I decided to quit my job.
(仕事を辞めることを決めた)→「これから」辞めるので、未来志向の to quit が自然です。

I enjoy watching movies.
(映画鑑賞を楽しむ)→「これから」楽しむのではなく、(一般的な習慣・行為として)映画を見る「こと」自体を楽しむので、 watching が使われます。

3. 動名詞 (~ing) しか使えない実践的動詞リスト

上記の「過去・習慣」のイメージから、特定の動詞は目的語として動名詞 (~ing) しか取りません。これは「そういうものだ」と覚えてしまうのが実践的です。代表的なものをまとめました。

動詞 意味 例文
enjoy ~することを楽しむ He enjoys reading books.
stop ~することをやめる Please stop making noise.
finish ~することを終える She finished writing her report.
mind ~することを気にする Would you mind closing the door?
avoid ~することを避ける You should avoid eating too much.
give up ~することをあきらめる I gave up trying to persuade him.

これらはすべて、すでに行われている行為を「やめる(stop)」「終える(finish)」「あきらめる(give up)」など、過去や現在の行為に対する動詞であることがわかります。

4. 【上級編】(to do) と (~ing) で意味が変わる動詞

動詞の中には、後ろに不定詞と動名詞のどちらを置くかで、意味がはっきりと変わるものがあります。これも「未来」か「過去・習慣」かのイメージで解決できます。

remember (思い出す、覚えている)

remember to do(未来)
→「(これから)~することを覚えている、忘れずに~する」
Please remember to buy milk. (牛乳を買うのを忘れないでね)

remember ~ing(過去)
→「(過去に)~したことを覚えている」
I remember meeting her somewhere. (どこかで彼女に会ったことを覚えている)

stop (止まる、やめる)

stop to do(未来)
→「~するために立ち止まる」(これは不定詞の副詞的用法「~するために」です)
He stopped to smoke. (彼はタバコを吸うために立ち止まった)

stop ~ing(過去・習慣)
→「~することをやめる」(これが動名詞の「目的語」です)
He stopped smoking. (彼は喫煙をやめた)

5. 絶対ルール:「前置詞」の後ろは必ず動名詞

これまでに挙げた使い分けよりも、もっと強力な絶対ルールがあります。それは「**前置詞の後ろには必ず動名詞 (~ing) を置く**」というものです。

前置詞とは、at (~で), on (~の上で), in (~の中で), for (~のために), about (~について), with (~と), without (~なしで) といった、名詞の前に置かれる単語です。

前置詞の後ろには「名詞」しか来ることができません。そのため、動詞を置きたい場合は、名詞の働きを持つ「動名詞 (~ing)」に変身させる必要があるのです。

I am good at driving.
(私は運転が得意です) ※ at (前置詞) の後ろなので driving になります。

Thank you for coming today.
(今日は来てくれてありがとう) ※ for (前置詞) の後ろなので coming になります。

He left without saying goodbye.
(彼はさよならも言わずに去った) ※ without (前置詞) の後ろなので saying になります。

まとめ:イメージで使い分けをマスターしよう

今回は、動名詞 (~ing) の基本を復習しました。

  • 動名詞は「動詞 + ing」で、「~すること」という意味の「名詞」になる。
  • 不定詞 (to do) は「未来志向」、動名詞 (~ing) は「過去・習慣志向」というイメージを持つ。
  • enjoy, stop, finish などは、過去や現在の行為に対する動詞なので (~ing) と結びつく。
  • remember to do (~するのを覚えている) と remember ~ing (~したのを覚えている) のように意味が変わるものもある。
  • 絶対ルールat, for, without などの「前置詞」の後ろは、必ず動名詞 (~ing)。

丸暗記ではなく、それぞれの単語が持つ「イメージ」を理解することで、動名詞不定詞の使い分けは格段に楽になります。ぜひ、ご自身の趣味や習慣を I enjoy ~ing. の形で表現することから始めてみてください。上の内容をマスターするために練習問題の記事がありますので挑戦してくださいね。

【大人の学び直し英語】動名詞(~ing)の使い方ドリル | 前置詞の後・to doとの違い - 月影

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