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わかる中国語文法⑥:文法の核心!SVO基本文型と「不」「没」の否定文

 

わかる中国語文法⑥:文法の核心!SVO基本文型と「不」「没」の否定文

こんにちは!中国語文法シリーズの第6回です。

第5回までで、私たちは「字(漢字)」→「単語」→「連語(フレーズ)」と、文を作るための「部品」を順番に学んできました。いよいよ今回から、これらの部品を組み立てて、意味の通る「文 (句子 jùzi)」を作るステージに入ります!

今回は、すべての文の土台となる中国語の「基本語順」、そして「〜ではない」と否定する「否定文」の作り方を徹底的にマスターします。ここが中国語文法の最大の核心です!


連語と文の関係:文とは何か?

まず、「連語」と「文」の違いをおさらいしましょう。

  • 連語 (短语 duǎnyǔ):単語が組み合わさった「部品」。(例:吃米饭(chī mǐfàn) - ご飯を食べること)
  • 文 (句子 jùzi):連語(部品)が組み合わさり、完結した意味を持つ「完成品」。

「文」は、話し手の考えや感情を完全に表現したもので、最後には「」や「」といった句読点(標点符号)が付きます。


平叙文:中国語の基本語順「SVO」

「平叙文」とは、物事をありのままに述べたり、説明したりする「ふつうの文」のことです。中国語の文法を学ぶ上で、この平叙文の語順がすべての基本となります。

中国語の基本語順は「SVO」!
S (主語) + V (動詞) + O (目的語)

これは「誰が」「どうする」「何を」という順番です。英語の語順と非常に似ていますね。

この「SVO」という骨格に、前回学んだ「介詞連語(いつ、どこで)」などを肉付けしていきますが、その場合も「SVO」の順番は崩れません。

  • S + V + O の例
    我 吃 苹果。 (Wǒ chī píngguǒ.) - 私はリンゴを食べる。
    (S: 私 / V: 食べる / O: リンゴ)
  • S + V + O の例
    他 学习 中文。 (Tā xuéxí Zhōngwén.) - 彼は中国語を勉強する。
    (S: 彼 / V: 勉強する / O: 中国語)
  • S + V の例 (目的語がない文)
    我 同意。 (Wǒ tóngyì.) - 私は同意します。
    (S: 私 / V: 同意する)

日本語のように「私は、リンゴを、食べる」と語順を入れ替えることはできません。中国語は語順が命!と覚えてください。


主述文と非主述文

中国語の文は、その構造から「主述文」と「非主述文」の2種類に大きく分けられます。

主述文 (zhǔshùwén)

「主語(〜は、〜が)」と「述語(どうする、〜だ)」が揃っている文のこと。SVO文など、私たちが学ぶ文のほとんどはこれにあたります。

  • 明天 天气 很好。(Míngtiān tiānqì hěn hǎo.) - 明日は天気が良いです。

非主述文 (fēi zhǔshùwén)

主語が省略されていたり、単語一言で感情を表したりする文のことです。日常会話で非常に多く使われます。

  • 下雨了!(Xià yǔ le!) - 雨が降ってきた! (主語がない)
  • 好!(Hǎo!) - いいよ! (単語一言)
  • 谁?(Shéi?) - 誰? (単語一言)

肯定文と否定文:「不」と「没」の使い分け

文には、物事を「はい(そうである)」と述べる肯定文と、「いいえ(そうではない)」と打ち消す否定文があります。

肯定文は、今まで学んだSVOの文(平叙文)がそのまま使えます。問題は否定文です。中国語の否定文には、主に2つの否定詞が登場します。

否定の2大巨頭:「不 (bù)」と「没 (méi)」

この2つの使い分けは、中国語学習の最初の大きな山場です。ルールは明確なので、ここでしっかり押さえましょう。

「不 (bù)」:現在・未来・習慣の否定
「〜しない」「〜ではない」
(動詞、形容詞、助動詞の否定に使う)

「没 (méi / méiyǒu)」:過去の動作・所有の否定
「〜しなかった」「〜持っていない」
(動詞の否定にのみ使う。形容詞は×)

「不 (bù)」の使い方 (036 位置:動詞・形容詞の前)

否定したい動詞や形容詞の「直前」に置きます。

  • 吃 苹果。( chī píngguǒ.) - 私はリンゴを食べません。(習慣)
  • 是 学生。( shì xuésheng.) - 彼は学生ではありません。(事実の否定)
  • 明天 热。(Míngtiān rè.) - 明日は暑くありません。(未来・形容詞の否定)

「没 (méi / méiyǒu)」の使い方 (036 位置:動詞の前)

こちらも、動詞の「直前」に置きます。没有(méiyǒu) の (yǒu) は省略して (méi) だけでもOKです(※「持っている」の否定は 没有 のまま)。

  • 吃 苹果。(méi chī píngguǒ.) - 私はリンゴを食べませんでした。(過去の動作の否定)
  • 来。(méi lái.) - 彼は来ませんでした。(過去の動作の否定)
  • 没有 钱。(méiyǒu qián.) - 私はお金を持っていません。(所有の否定)

※注意: で過去を否定するとき、文末の「(le)」は一緒に使えません。


文と句読点 (标点符号)

文が完成したら、最後には必ず「句読点(標点符号 biāodiǎn fúhào)」を打ちます。日本語と似ていますが、少し違うものもあります。

  • (句号 jùhào) - 平叙文の終わり。日本語の「。」と同じです。
    例: 他来了。
  • (问号 wènhào) - 疑問文の終わり。「?」です。
    例: 你来吗?
  • (感叹号 gǎntànhào) - 感嘆文や命令文の終わり。「!」です。
    例: 太好了!
  • (逗号 dòuhào) - 文中の短い区切り。日本語の「、」より多用されます。
    例: 我吃饭,他看书。

まとめと次回予告

お疲れ様でした!今回は、中国語の文法の「核心」を学びました。

  • 文は「連語(部品)」が組み合わさった完成品。
  • 中国語の基本語順は「SVO」。語順は絶対!
  • 否定文は「不 (bù)」(今・未来の否定)と「没 (méi)」(過去・所有の否定)を使い分ける。
  • 否定詞は、動詞や形容詞の「直前」に置く。

これで「ふつうの文」と「否定する文」は作れるようになりました。となると、次に知りたくなるのは「質問する文」ですよね?

次回、【第7回】疑問文の全パターン徹底解説で、「〜ですか?」から「何?」「どこ?」まで、あらゆる質問のパターンをマスターしましょう!お楽しみに。

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