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【音声付き】中国語の発音の基礎 Part 1:四声(声調)を世界一わかりやすく解説

 

【音声付き】中国語の発音の基礎 Part 1:四声(声調)を世界一わかりやすく解説

「中国語の発音って、なんだか歌みたいで難しそう…」

国語学習を始めようとする誰もが、まずこの「発音の壁」に直面します。でも、ご安心ください!正しいルールさえ分かれば、発音は決して難しいものではありません。

この記事から始まる全3回のシリーズで、中国語の発音の土台となる**「ピンイン」**と**「四声(声調)」**を、どこよりも分かりやすく、実践的に解説していきます。

【中国語発音の基礎 完全ロードマップ】

Part 1:四声(声調)編 - 中国語の「音程」をマスターしよう!(この記事)

▷ Part 2:子音(声母)編 - 息づかいを制する者は発音を制す!

▷ Part 3:母音(韻母)編 - 日本人が苦手な「口の形」を徹底攻略!

今回はその中でも最重要となる**「四声(声調)」**に焦点を当てます。これがなければ中国語は始まりません。さあ、一緒に発音の扉を開きましょう!

そもそも「ピンイン」と「四声」って何?

まず、言葉の定義をはっきりさせておきましょう。

  • ピンイン(拼音): 中国語の漢字の「読み方」をアルファベットで表記したものです。日本語の「ふりがな」のような役割を果たします。
  • 四声(しせい)/ 声調(せいちょう): そのピンインを読むときの「音の上げ下げ(音程)」のことです。中国語の単語は、この音程によって意味が全く変わってしまいます。
ポイント:日本語にも「箸(は⤴し)」と「橋(は⤵し)」のようにイントネーションで意味が変わる単語がありますが、中国語は**すべての単語**にこのルールが適用されます。

例えば、同じ `ma` という音でも、四声が違うだけでこれだけ意味が変わるのです。

声調記号 ピンイン 漢字 意味
第一声 ( ̄ ) お母さん
第二声 ( ´ ) 麻(あさ)
第三声 ( ˇ )
第四声 ( ` ) 罵る(ののしる)

「お母さん(mā)」と言おうとして音程を間違えると「馬(mǎ)!」になってしまう可能性があるわけです。だからこそ、四声は最初にマスターする必要があるのです。

四声の「音の出し方」を徹底マスター!

ここからは、4種類の声調を一つずつ、感覚的なコツと共に解説します。ぜひ声に出して練習してみてください!

第一声(だいいっせい):高く平らな音

音のイメージ:(5) → (5)

自分の出せる声の中で、少し高めの音を、**最初から最後まで同じ高さで、まっすぐ伸ばす**のがコツです。「あーーー」と電話の呼び出し音を真似するような感覚です。

練習: (fēi / 飛ぶ)

第二声(だいにせい):急上昇する音

音のイメージ:(3) → (5)

普通の高さから、一気に高い音へ引き上げます。日本語で**「えっ?」と聞き返すときのイントネーション**にそっくりです。下から上へ、短い矢印をイメージしてください。

練習: (lái / 来る)

第三声(だいさんせい):低く抑えてから、少し上がる音

音のイメージ:(2) → (1) → (4)

四声の中で最も特徴的で、多くの初心者がつまずくポイントです。一度グッと低い音に下げてから、最後に少しだけ上げます。**がっかりして「あぁ…」と声を出す感覚**に似ています。

最重要ポイント:実際の会話では、後ろに他の単語が続く場合、最後の「上げる」部分は発音されず、**ただ低く抑えるだけ**の音(半三声)になることがほとんどです。まずは「一番低い声で抑える」ことだけを意識しましょう!

練習: (hǎo / 良い)

第四声(だいよんせい):急降下する音

音のイメージ:(5) → (1)

高いところから、一気に低い音まで叩きつけるように発音します。カラスの鳴き声**「カァッ!」**や、何かに納得したときの**「そうっ!」**という鋭い言い方に似ています。

練習: (kàn / 見る)

忘れてはいけない「軽声(けいせい)」

実は、中国語にはもう一つ「軽声」と呼ばれる音があります。これは四声の記号が付かず、前の音に添えるように**軽く、短く発音**される音です。

音の高さは決まっておらず、直前の音節によって変化します。最初は難しく考えず、「力を抜いて、短く添える」という感覚でOKです。

例:

  • 妈妈 (māma) - お母さん (2つ目の ma が軽声)
  • 爸爸 (bàba) - お父さん (2つ目の ba が軽声)

まとめ & 次回予告

お疲れ様でした!今回は中国語発音の心臓部である「四声」について学びました。

本日のまとめ
  • 第一声:高く、まっすぐ
  • 第二声:「えっ?」と上がる
  • 第三声:低く、抑える
  • 第四声:「カァッ!」と下がる
  • 軽声:軽く、添えるだけ

最初はうまくできなくても全く問題ありません。大切なのは、**すべての単語に音程があることを意識する**ことです。単語を覚えるときは、必ず音声を聞いて、音程ごとインプットする癖をつけましょう!

さて、次回はアルファベットの部分、**「子音(声母)」**の解説です。日本語にはない息の使い方をマスターして、さらにネイティブらしい発音に近づきましょう!