中国ドラマ界には、そのルックスと確かな演技力で、時代劇から現代劇まで幅広くファンを魅了する若手俳優が次々と登場しています。その中でも、今最も輝いているスターの一人がシュー・カイ(許凱)です。今回は、シュー・カイの魅力と彼の代表作、特に『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』、『招揺<ショウヨウ>』、そして『尚食~美味なる恋は紫禁城で~』をご紹介します。
シュー・カイのプロフィールと演技の魅力
シュー・カイは中国・広東省出身、1995年3月5日生まれの俳優です。2013年にモデルコンテストでグランプリを獲得後、2016年に俳優デビュー。その端正な顔立ちと187cmという長身、そしてモデル出身ならではの抜群のスタイルで、特に時代劇の衣装や辮髪(べんぱつ)姿が「国宝級」と称されるほどの美しさを誇ります。
しかし、彼の魅力はルックスだけにとどまりません。一途で献身的な役から、少しツンデレな役、コミカルな役までこなす演技の幅広さが彼の真骨頂です。また、多くの中国ドラマでは声優による吹き替えが一般的ですが、現代劇などでは自身の声で演じることもあり、そのナチュラルで深みのある声もファンを惹きつける大きな魅力の一つとなっています。
私が見た作品を発表年にしたがい簡単に紹介します。タイトルのところに各配信サイトへのリンクを張っています。
1. 『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』(2018年)
視聴情報:Amazonプライム、 UーNEXTなどで配信中(2025年8月現在)
シュー・カイの名をアジア全土に知らしめたのが、メガヒット作『瓔珞<エイラク>』です。清の乾隆帝時代を舞台に、女官から皇后へと上り詰めていくヒロイン・魏瓔珞(ぎえいらく)の痛快な逆襲劇を描いた物語。
シュー・カイが演じたのは、皇后の弟であり、紫禁城の御前侍衛である富察傅恒(ふちゃふこう)。彼は、真っ直ぐで誠実な青年で、ヒロインの瓔珞を一途に想い、陰ながら彼女を支え続けます。その切ない恋模様と、愛する人を守るために自らを犠牲にする姿は多くの視聴者の涙を誘い、「最も切ない当て馬」として絶大な人気を博しました。共演のウー・ジンイェン(呉謹言)との化学反応も素晴らしく、彼をスターダムに押し上げた記念碑的作品です。
2. 『招揺<ショウヨウ>』(2019年)
視聴情報:Amazonプライム、 UーNEXTなどで配信中(2025年8月現在)
『瓔珞<エイラク>』とは打って変わり、シュー・カイが「一途な愛」を貫く魔王の子を演じたのが、ファンタジー時代劇『招揺<ショウヨウ>』です。傍若無人で「女魔王」と恐れられるヒロイン・路招揺(ろしょうよう)と、彼女に忠誠を誓う厲塵瀾(れいじんらん)のラブストーリーが描かれます。
シュー・カイが演じる厲塵瀾は、当初は顔にあざがあり、気弱で純朴な青年「墨青(ぼくせい)」として登場しますが、実は内に強大な力を秘めています。どんな時も招揺だけを見つめ、彼女を守り抜く彼の姿は「忠犬男子」と話題になりました。ヒロイン役のバイ・ルー(白鹿)との息の合った演技は多くのファンを生み、二人はその後も数々の作品で共演するゴールデンカップルとなります。
3. 『尚食~美味なる恋は紫禁城で~』(2022年)
視聴情報:Amazonプライム、 UーNEXTなどで配信中(2025年8月現在)
『瓔珞<エイラク>』のドリームカップルが再共演を果たしたことで大きな話題を呼んだ宮廷ロマンス時代劇です。明の永楽帝から宣徳帝の時代、宮中の食事を司る「尚食局」を舞台に、女官・姚子衿(ようしきん)と皇太孫・朱瞻基(しゅせんき)の恋模様が、美食の数々とともに描かれます。
シュー・カイは、後に宣徳帝となる文武両道の完璧な皇太孫・朱瞻基を熱演。皇帝としての威厳と、愛する女性の前で見せる優しさや嫉妬といった人間味あふれる表情を巧みに演じ分け、彼の新たな魅力を開花させました。ヒロイン役のウー・ジンイェンとは、『瓔珞』での切ない関係とは一転、甘く幸せなロマンスを繰り広げ、ファンを喜ばせました。
壮大なスケールと作り込まれた世界観
シュー・カイが出演する時代劇の多くは、『宮廷の諍い女』なども撮影された世界最大の撮影スタジオ「横店影視城(横店スタジオ)」で撮影されています。紫禁城や明の時代の宮殿を再現した壮大なセット、豪華絢爛な衣装、そして精巧な小道具が、視聴者を一気にその世界へと引き込みます。特に『尚食』では、数々の食の至宝が再現されており、物語だけでなく視覚的にも楽しむことができます。
まとめ
シュー・カイは、その美しい容姿だけでなく、役ごとに異なる顔を見せる繊細な演技力で、私たちを魅了し続ける俳優です。彼が演じるキャラクターは、どれも強い信念と人間的な魅力を持ち合わせており、物語に深い奥行きを与えています。
ここで紹介した3作品は、いずれも彼の魅力が存分に味わえる傑作ばかりです。壮大な歴史ロマン、胸が高鳴るラブストーリー、そしてシュー・カイの圧倒的な存在感に、あなたもきっと夢中になることでしょう。