凛とした美しさと芯の強さ
リウ・タオ(劉涛)の魂を揺さぶる代表作
中国ドラマには数多くの素晴らしい女優がいますが、私が特に心惹かれるのが、その凛とした佇まいと奥深い演技で観る者を魅了するリウ・タオ(劉涛)です。彼女が演じる女性は、ただ美しいだけでなく、困難に立ち向かう「芯の強さ」と、愛する者を包み込む「深い優しさ」を兼ね備えています。この人も、吹き替えなしで演技する主演級の女優です。
今回は、そんなリウ・タオの魅力が最大限に発揮されている、私の心を揺さぶった代表作をご紹介します。
リウ・タオのプロフィールと演技の魅力
リウ・タオは1978年生まれ、江西省出身。スン・リーさんと同じく、若い頃に3年間、軍の文工団に所属した経歴を持ちます。その経験が、彼女の持つ揺るぎない眼差しや、気品ある立ち振る舞いの源になっているのかもしれません。
一度は結婚を機に引退しましたが、家族を支えるために復帰し、以前にも増して輝きを放っている姿には、彼女自身の人生の力強さが表れています。彼女の演技は、役柄の感情を表面的な表現だけでなく、その内面にある葛藤や決意までも繊細に描き出すところに真の魅力があります。
1. 『今宵天使が舞い降りる』(2013年)
▶ YouTubeで予告編を見る現代の上海を舞台に、妊娠・出産という人生の転機に直面した3人の女性を描くドラマ。リウ・タオは玉の輿に乗ったものの、家庭内の問題や不妊に悩む女性を演じました。コメディタッチな部分もありながら、母になろうとする強さと女性としての自立を等身大で表現しています。彼女の持つ「母性」と「優しさ」が際立つ一作です。
2. 『琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~』(2015年)
アジア全土で大ヒットした傑作。彼女は南の国境を守る勇猛果敢な女将軍・穆霓凰(ぼくげいおう)を演じました。戦場では誰よりも強く兵を率いる一方、主人公・梅長蘇と再会した時に見せる切なさには胸を締め付けられます。強靭な鎧の下にある繊細な心をリウ・タオは見事に表現しきっています。
3. 『ミーユエ 王朝を照らす月』(2015年)
スン・リーさんとの豪華共演作。リウ・タオは、主人公ミーユエの姉・羋姝(びしゅ)を演じました。序盤の妹思いで純粋な姿から、後宮の渦に巻き込まれ悪女へと変貌していく過程が衝撃的。特に愛情が憎悪に変わる瞬間の、瞳の奥の光が消えるような演技はまさに圧巻。善と悪の二つの顔を完璧に演じ分けました。
4. 『三国志~司馬懿 軍師連盟~』(2017年)
司馬懿を支え続けた正室・張春華(ちょうしゅんか)役。聡明で気丈、時には剣を手に家族を守る強さを持ちながら、夫の最大の理解者として深い愛情を注ぐ。夫さえも恐れる「恐妻」でもある多面的なキャラクターを実に生き生きと演じています。呉秀波との息の合った夫婦の掛け合いは、心が和む大好きなシーンです。
5. 『大宋宮詞 ~愛と策謀の宮廷絵巻~』(2021年)
▶ YouTubeで予告編を見る北宋の皇后、劉娥(りゅうが)の波乱万丈な生涯を描く歴史大作。低い身分から知略と徳をもって頂点へ昇り詰める姿を、リウ・タオがその圧倒的な気品で体現しています。煌びやかな衣装に負けない彼女の存在感と、国を思う慈愛に満ちた眼差し。彼女の「皇后」としての風格が存分に味わえる逸品です。
6. 『愛のかたち~Love is true~』(2021年)
▶ YouTubeで予告編を見るキャリア、出産、育児に直面する現代女性を描いたヒューマンドラ。リウ・タオは子供を持たない主義を貫くキャリアウーマン、蕭嫣(シャオ・イェン)を熱演。仕事での冷徹な顔と、友人や弱者を助ける際に見せる温かさ。現代社会を強く、時に悩みながら生きる等身大の女性の魅力を引き出しています。