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芯の強さに魅せられて。中国の国民的女優リウ・タオ、心揺さぶる歴史ドラマ代表作3選

中国ドラマには数多くの素晴らしい女優がいますが、私が特に心惹かれるのが、その凛とした佇まいと奥深い演技で観る者を魅了するリウ・タオ(劉涛)です。彼女が演じる女性は、ただ美しいだけでなく、困難に立ち向かう「芯の強さ」と、愛する者を包み込む「深い優しさ」を兼ね備えています。この人も、吹き替えなしで演技する主演級の女優です。

今回は、そんなリウ・タオの魅力が最大限に発揮されている、私の心を揺さぶった歴史ドラマの代表作を3つ厳選してご紹介します。

 

リウ・タオのプロフィールと演技の魅力

 

リウ・タオは1978年生まれ、江西省出身。スン・リーさんと同じく、若い頃に3年間、軍の文工団に所属した経歴を持ちます。その経験が、彼女の持つ揺るぎない眼差しや、気品ある立ち振る舞いの源になっているのかもしれません。

一度は結婚を機に引退しましたが、家族を支えるために復帰し、以前にも増して輝きを放っている姿には、彼女自身の人生の力強さが表れています。彼女の演技は、役柄の感情を表面的な表現だけでなく、その内面にある葛藤や決意までも繊細に描き出すところに真の魅力があります。以前、北宋時代のドラマ『大宋宮詞』で、皇后役のリウ・タオの紹介をしています。

 

1. 琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~』(2015年) 

配信:Amazonプライム , U-NEXT など。2025年8月

youtubeで予告編を見れます。 リウ・タオを語る上で、この作品を外すことはできません。アジア全土で大ヒットしたこの傑作で、彼女は南の国境を守る勇猛果敢な女将軍・穆霓凰(ぼくげいおう)を演じました。

戦場では誰よりも強く、兵を率いる姿はまさに圧巻。しかし、主人公・梅長蘇(ばいちょうそ)と再会した時に見せる、長年秘めてきた想いと切なさには、胸を締め付けられました。強靭な鎧の下にある、一人の女性としての繊細な心をリウ・タオは見事に表現しきっています。彼女が流す一筋の涙の美しさは、今でも忘れられません。多くの視聴者が霓凰郡主に心を奪われたことでしょう。

 

2. ミーユエ 王朝を照らす月』(2015年)

配信:Amazonプライム , U-NEXT など。2025年8月

youtubeで予告編を見れます。

スン・リーさんとの豪華共演が話題となったこの作品で、リウ・タオは演技の幅の広さを証明しました。彼女が演じたのは、主人公ミーユエの心優しき異母姉・羋姝(びしゅ)です。

物語の序盤では、妹思いで純粋そのものだった姫が、後宮の渦に巻き込まれ、夫の寵愛と権力への嫉妬から、次第にミーユエを憎む悪女へと変貌していきます。その変化が本当に衝撃的でした。特に、愛情が憎悪に変わる瞬間の、瞳の奥の光が消えるような演技はまさに圧巻。彼女の鬼気迫る表現があったからこそ、この物語の悲劇性がより一層深まったのだと確信しています。善と悪、二つの顔を完璧に演じ分けた彼女の力量には、ただただ脱帽するばかりです。スン・リーさん目当てて見始めましたが、リウ・タオの演技に魅入りました。

 

3. 三国志~司馬懿 軍師連盟~』(2017年) - 聡明で気丈な「賢妻」

配信:Amazonプライム , U-NEXT など。2025年11月

youtubeで予告編を見れます。 

重厚な歴史大作の中で、リウ・タオは主人公・司馬懿(しばい)を生涯にわたって支え続けた正室・**張春華(ちょうしゅんか)**を演じました。この張春華こそ、リウ・タオの真骨頂ともいえる役柄だと私は思います。

聡明で気丈、時には剣を手に取って家族を守るほどの強さを持ちながら、夫の最大の理解者として深い愛情を注ぐ。まさに「賢妻」でありながら、夫さえも恐れる「恐妻」でもある。この人間味あふれる多面的なキャラクターを、リウ・タオは実に生き生きと演じています。夫役の呉秀波(ウー・ショウポー)との息の合った夫婦の掛け合いは、この重厚なドラマの中で心が和む、大好きなシーンの一つです。

 

まとめ

リウ・タオは、ただ役を演じるだけでなく、そのキャラクターに「魂」を吹き込むことができる稀有な女優です。彼女が演じる強い女性たちの姿を見ていると、私たちも日々の困難に立ち向かう勇気をもらえるような気がします。

ここで紹介した3作品は、いずれもリウ・タオの圧倒的な演技力と人間的な魅力を堪能できる傑作ばかりです。彼女のドラマに触れれば、あなたもきっとその芯の強さと深い愛情の虜になることでしょう。

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※本記事の情報は2025年8月現在のものです。最新の配信状況は各VOD公式サイトにてご確認ください。