前回の記事では、私のブログがGoogleに評価されていなかった根本的な原因が、**YMYL(Your Money or Your Life)とE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)**という、Googleの「品質」と「信頼性」に関する厳しい基準にあることをお話ししました。
しかし、私のブログが抱えていた問題は、それだけではありませんでした。
たとえE-E-A-Tを意識した良い記事を書いても、それが**「読者の知りたいこと」**とズレていれば、クリックされることはありません。
今回は、その「ズレ」を見つけ出し、修正するための強力な武器、Google Search Consoleの使い方について、私の失敗談を交えながらお話しします。
「専門的で難しそう…」と思うかもしれませんが、大丈夫です。私のような初心者でもできた、たった一つのポイントに絞って解説しますので、ぜひついてきてください。
Google Search Consoleとは?あなたのブログの「成績表」
まず、Google Search Console(サーチコンソール、通称「サチコ」)とは何か? これは、**「Googleがあなたのブログをどう見ているか」**を教えてくれる、Google公式の無料ツールです。
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どんなキーワードで検索されているか?
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検索結果に何回表示されたか?
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何回クリックされたか?
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どの記事が人気なのか?
など、ブログ運営に欠かせないデータが詰まった、いわば**「あなたのブログの成績表」**です。まだ登録していない方は、ぜひこの機会に登録を済ませておいてください。登録方法は検索すればたくさん出てきます。以下にホームページをリンクします。
宝の山!「検索パフォーマンス」レポートで見るべきたった一つの指標
Search Consoleには多くの機能がありますが、初心者が最初に見るべきは、メニューにある**「検索パフォーマンス」**レポートです。
ここには「表示回数」「クリック数」「CTR(クリック率)」「掲載順位」といった指標が並んでいますが、今回あなたに探してほしい「問題児」は、たった一つの特徴を持っています。それは、
「表示回数は多いのに、クリック数が異常に少ない記事」
です。
なぜ、この指標が重要なのでしょうか?
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表示回数が多い → Googleが「この記事は、このキーワードに関連がある」と判断し、検索結果に何度も表示してくれている証拠です。Googleからの評価は、決して低くありません。
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クリック数が少ない → しかし、検索結果に表示されたあなたの記事のタイトルを見て、読者が**「これは私の知りたいことじゃないな」と判断し、スルーしてしまっている**状態です。
これほど、もったいないことはありませんよね。せっかくGoogleが良い場所に陳列してくれた商品を、お客様が手に取ってくれていないのです。この「機会損失」を起こしている記事こそ、あなたが最初に取り組むべき「問題児」なのです。下は表示回数とクリック数を示している検索パフォーマンスのスクリーンショットです。表示回数(検索にかかった回数)とクリック数(実際に記事を見た数)にずれがあるのがわかります。
【私の失敗談】Duolingo記事で犯した「検索意図」のズレ
私自身、この「機会損失記事」を抱えていました。それは、語学学習アプリ「Duolingo」について書いた記事です。
当時の私は、この記事で「Duolingoで学べる中国語」と「Duolingoで学べるインドネシア語」について、それぞれの学習のコツや感想を、一つの記事にまとめて書いていました。私としては、両方の情報を盛り込んだ、お得な記事のつもりでした。
しかし、下に示していますようにSearch Consoleのデータは、無情な現実を突きつけてきました。 実は、その記事が検索された言葉は、「duolingo インドネシア語」関連のキーワードが、ほとんどでした。つまり、中国語の言葉がタイトルに入ってたため表示はされているのに、クリック数はゼロだったのです。下に、検索の言葉を調べたSearch Consoleのイメージです。
なぜか?答えは簡単でした。
**「duolingo インドネシア語」**で検索した人は、インドネシア語のことだけを知りたい。
私は、読者が何を知りたくて検索窓にキーワードを打ち込んだのか、その**「検索意図」**を完全に無視して、自分が書きたいことを一つの記事に詰め込んでしまっていたのです。
【改善策】記事を分割し、読者の「知りたいこと」にだけ答える
原因が分かれば、やるべきことは一つです。 私は、元の記事を思い切って2つの記事に分割しました。
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記事A: 『Duolingoの中国語は効果ある?4ヶ月続けた学習効果と使い方』
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記事B: 『日本人向けレビューDuolingoインドネシア語(英語版)は効果ある?4ヶ月試した難易度と学習効果』
このように、それぞれの記事で一つの言語に特化した内容に書き直し、タイトルも「中国語」「インドネシア語」と明確に分けました。読者の検索意図に、100%ストレートに答える記事にしたのです。
すると、驚くべきことが起きました。 これまでほとんどクリックされていなかったインドネシア語の記事(記事B)が、数週間後にはGoogle検索から安定してクリックされるようになったのです。
読者の「知りたい!」にまっすぐ答えることの重要性を、データがはっきりと教えてくれた瞬間でした。
記事AのDuolingoと中国語は相変わらずクリックされていません。これは、記事の質の問題か、他の方の良質な記事がたくさんあり競争が激しいのかもしれません。
まとめと次回予告
今回のポイントをまとめます。
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Google Search Consoleはブログの「成績表」。まずは**「検索パフォーマンス」**を見よう。
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注目すべきは**「表示回数は多いのに、クリック数が少ない」**記事。
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その原因は、読者の**「検索意図」**とのズレにあることが多い。
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記事の内容を分割・特化させて、読者の疑問にまっすぐ答える記事にしよう。
今回は「読者に選ばれていない記事」の改善法でしたが、中にはGoogleから「品質が低い」と判断され、そもそも検索結果に表示すらされにくい、もっと根深い問題を抱えた記事もあります。
次回は、私がサイト全体の評価を下げていた「ブログの癌」ともいえる記事をどうやって特定し、どんな苦渋の決断を下したのかについて、お話ししたいと思います。
(第3回へつづく)