「一生懸命に記事を書いているのに、なぜかアクセスが増えない…」
「SEO対策を頑張っているつもりなのに、検索順位が全く上がらない…」
ブログを運営していると、多くの人がこんな悩みにぶつかります。何を隠そう、私自身がそうでした。
ある日、私は自分のブログのアクセス解析を見て、ある奇妙で、そして衝撃的な事実に気づきました。アクセス元の検索エンジンを見ると、このような結果になっていたのです。
「あれ、おかしいな?」
PLAN-B社が運営するメディア「PINTO!」の調査によると、2025年3月時点での日本の検索エンジンシェアは以下の通りです。(元データ:Statcounter)
Googleを使う人は、Bingの約10倍もいる。それなのに、私のブログに来る人は、GoogleよりBingからの方が多い。この数字は、明らかに異常でした。
▼日本の平均シェアと私のブログの比較
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Google: 日本の平均 **約80%**に対し、私のブログは 21%(約1/4)
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Bing: 日本の平均 **約8%**に対し、私のブログは 37%(約4.5倍)
このデータが示していたのは、**「Googleは私のブログを低く評価しているが、Bingはそうではない」**という紛れもない事実でした。さらに、どの記事が読まれているかを詳しく見ると、その傾向はもっとハッキリしました。
驚いたことに、Bingで最も読まれている人気記事が、Googleの検索結果では全く上位に表示されていなかったのです。
これは一体どういうことなのか?
最初は「Bingの検索エンジンが、私のブログと相性が良いのかな?」なんて、のんきに考えていました。しかし、その原因を深く調べていくうちに、私は背筋が凍るような事実に気づいたのです。
それは、私のブログに、Googleから**「読者にとって有害である可能性がある」と判断される、ある深刻な問題**が潜んでいたからでした。
このシリーズでは、私のブログがGoogleから低評価を受けた体験を基に、どうやってその問題を特定し、改善していったのか、その全記録をお話ししていきます。まず第1回目は、全ての始まりとなった「Googleが最も警戒していること」についてです。
GoogleとBing、検索に対する「思想」の違い
なぜ、Bingでは評価される記事が、Googleでは評価されないのか?
それは、両者の検索エンジンが持つ**「思想」、つまり「何を大切にしているか」**が異なるからです。
少し乱暴な言い方をすれば、Bingは入力された**「キーワード」**と記事の内容がどれだけ一致しているかを比較的素直に評価してくれる傾向があります。
一方、Googleは違います。
Googleはキーワードとの一致度だけでなく、それ以上に**「この記事は、本当に信頼できるのか?」「この記事を読むことで、読者は不利益を被らないか?」という、コンテンツの『品質』と『安全性』**を、極めて厳しく審査しているのです。
そして、あなたのブログがもし、ある特定のジャンルについて書かれたものであれば、Googleはその審査の基準を、虫眼鏡どころか“顕微見レベル”まで引き上げます。
あなたの記事は大丈夫?Googleが最も警戒する「YMYL」とは?
その特定のジャンルこそ、**「YMYL」**と呼ばれるものです。
YMYLとは、**「Your Money or Your Life」の頭文字を取った言葉で、直訳すると「あなたのお金、あなたの人生」。つまり、「人々の幸福、健康、経済的安定、または安全に重大な影響を与える可能性のある情報」**を指します。
具体的には、以下のようなジャンルがYMYLに該当します。
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お金(Your Money): 投資、税金、ローン、保険、不動産など。
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人生・健康(Your Life): 医療情報、薬、メンタルヘルス、栄養、災害情報など。
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法律・政治・社会: 公的制度、選挙、国際情勢、重要なニュースなど。
もし、あなたがこれらのジャンルについて発信しているなら、Googleはあなたの記事を非常に厳しい目で見ています。なぜなら、そこにある情報がもし不正確だったら、読者の人生を大きく狂わせてしまう可能性があるからです。
「間違った医療情報で健康を害する人がいてはいけない」
「不正確な金融情報で、虎の子の財産を失う人がいてはいけない」
**読者を守りたい。**それが、GoogleがYMYLジャンルの品質を厳しく審査する、強い使命感なのです。
Googleに「信頼される人」になるためのパスポート、「E-E-A-T」
では、その厳しい審査をクリアし、Googleに「この記事は信頼できる」と認めてもらうには、どうすればいいのでしょうか?そのための基準が**「E-E-A-T」**です。
E-E-A-Tとは、以下の4つの言葉の頭文字です。
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E - Experience(経験): 筆者がそのテーマについて、実体験を持っているか?
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E - Expertise(専門性): 筆者がそのテーマについて、専門的な知識を持っているか?
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A - Authoritativeness(権威性): 筆者がそのテーマについて、第一人者または専門家として社会的に認められているか?
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T - Trustworthiness(信頼性): そのブログや記事の情報は、正確で、誠実で、信頼できるか?
つまりGoogleは、**「信頼できる専門家が、自らの経験に基づいて、正確な情報を発信しているか」**を何よりも重視しているのです。
当時の私のブログを振り返ってみると、このE-E-A-Tが完全に欠落していました。私は政治や経済の専門家でもないのに、情報源を明記せずに、国際情勢や特定の企業の経営について論じていました。Googleから見れば、それは「誰が書いたか分からない、個人の感想」に過ぎません。YMYLという最も厳しいジャンルで、最も信頼性のない記事を書いていたのです。
だから、私のブログはGoogleから「品質が低い」と判断され、検索結果から弾かれていたのです。
まとめと次回予告
今回のポイントをまとめます。
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Googleはキーワードだけでなく、記事の**「品質」と「信頼性」**を非常に重視している。
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特にお金や健康、法律に関する**「YMYL」**ジャンルの記事は、審査が極めて厳しい。
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Googleに評価されるには、**「E-E-A-T」(経験・専門性・権威性・信頼性)**を記事で示すことが不可欠。
この事実に気づいた私は、自分のブログのどこに問題があるのか、具体的な「健康診断」を始めることにしました。
次回は、私が実際に使ったGoogleの無料ツール**「Google Search Console」**を使って、あなたのブログの「問題児」となっている記事を見つけ出す具体的な方法と、私自身が最初に行った改善策について、詳しくお話ししていきます。
(第2回へつづく)