「なぜスバルはアメリカで大人気なのか?」という話題は近年ますます注目を集めています。私もそれについて記事を書きました。
それに続く形で気になるのが、他の日本車ブランドのアメリカ市場での立ち位置です。
この記事では、トヨタ・ホンダ・マツダという主要ブランドに絞って、アメリカでの評価や戦略の違いを比較しながら解説していきます。
1. トヨタ:フルライン戦略とピックアップの強さで“盤石の王者”
✅ 売上・シェア
トヨタはアメリカで最も成功している日本車ブランドです。全ブランド中でもトップ3に入る販売台数を誇り、カローラやカムリといった定番セダンに加え、RAV4やハイランダーといったSUV、さらにはタンドラやタコマといったピックアップトラック市場にも強みがあります。以下にアメリカでの車のメーカー別の2024年のランキングでもトヨタが、2位であることがわかります。ホンダは5位です。
✅ 戦略の特徴
✅ アメリカ人のイメージ
「信頼できる」「壊れにくい」「家族向けの実用車」
品質と耐久性で築いたブランド力は、アメリカでも揺るぎません。以下の記事でもブランドの力(2023年の記事)がアメリカでは、1位トヨタ、2位ホンダ、3位スバル、4位シボレー、5位フォードとなっています。コンシューマーリポートの記事によると、トヨタの高級車レクサスの評価は、トヨタよりも良いです。
2. ホンダ:燃費志向と合理性で“賢い選択”を提供
✅ 売上・シェア
ホンダもトヨタに次ぐ日本ブランドの代表格。シビックやアコードといったセダン、そしてCR-V、パイロットなどのSUVが高く評価されています。上記の記事中にホンダがトヨタについて評価されていることが示されています。
✅ 戦略の特徴
✅ アメリカ人のイメージ
「コスパが良くて実用的」「カジュアルで若者にも人気」
性能・価格・燃費のバランスが良く、合理性を重視するアメリカ人にマッチ。
3. マツダ:走りとデザインで勝負する“こだわり派ブランド”
✅ 売上・シェア
マツダはトヨタやホンダほどのシェアはないものの、近年は**CXシリーズ(CX-5、CX-30など)**が好調。デザインと走行性能を重視する層に人気があります。マツダは上記の記事にもありますが、アメリカでのシェアは3%です。
✅ 戦略の特徴
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“人馬一体”をテーマにしたドライビング体験
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プレミアム志向の内装・質感(レクサス未満、ホンダ以上)
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スカイアクティブ技術による燃費と走行性能の両立
✅ アメリカ人のイメージ
「おしゃれで運転が楽しい」「ちょっと通な選択」
マツダはアメリカ市場で**“手頃なプレミアム”**というポジションを確立しつつあります。コンシューマーレポートでも中古車の信頼性(故障が少ない)が3位と高く評価されています。
4. ブランド比較まとめ表
ブランド | 主力車種 | 評価されている点 | ターゲット層 |
---|---|---|---|
トヨタ | RAV4、カムリ、タンドラ | 信頼性・ラインナップの広さ | 幅広い年齢層、ファミリー層 |
ホンダ | シビック、CR-V、アコード | 燃費・実用性・合理性 | 若年層、コスパ重視層 |
マツダ | CX-5、CX-30、Mazda3 | デザイン・走行性能 | 30〜40代の個性派 |
5. 日本とアメリカでのブランド印象のギャップ
興味深いのは、日本では「地味」「マニア向け」と思われがちなブランドが、アメリカでは主力・主役級で大活躍しているという点です。
特にマツダやスバルは、日本国内の販売台数よりも、**海外での評価が高く、ビジネス的にも“外向きブランド”**として成長しています。
6. まとめ:アメリカで成功する日本車、その共通点とは?
最後に、今回紹介したブランドに共通するアメリカ市場での成功要因をまとめてみます。
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✅ ローカルニーズ(大型車、アウトドア、燃費、安全性)への対応
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✅ デザインやブランドイメージ戦略に投資している
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✅ 北米専用モデルや仕様の投入による“現地最適化”
今後はEV化の波の中で、これらのブランドがどう舵を切っていくのかにも注目が集まります。