月影

日々の雑感

語彙力と認知症リスク:言葉の豊かさは認知症になりにくさに繋がるのか

「知っている言葉の数が多い(語彙が豊富)と認知症になりにくい」というのを聞いたことがあります。それが、本当かどうか調べてみました。

 

* 認知症予備脳 (cognitive reserve):  脳の研究から認知症でなかった方の脳を調べるとアルツハイマーの方と同じくらい小さくなってる場合があったそうです。 認知予備能とは、脳に何らかのダメージが生じても、認知機能の低下をある程度抑えることができる能力のことで、教育歴の長さや知的な活動への積極的な参加が関係すると言われています。このことから、認知症は予防できる可能性が示唆されています。


* 語彙力と認知能力の関連性: 語彙が豊富であることは、思考力や理解力と関連があるとされています。言葉は思考の道具であり、多くの言葉を知っていることは、より深く多角的に物事を考える能力に繋がる可能性があります。仏教や哲学などの文学の本を読むことは、新しい言葉を覚えるとともにその意味を深く考えることに繋がり脳に良いかもしれません。


* 言語活動による脳の活性化: 漢字や熟語を使ったクイズやパズル、新しい言語の学習といった言語に関わる活動は、脳を活性化させ、語彙力を向上させるだけでなく、継続することで認知症予防に役立つと考えられています。特に、複数の言語を操ることは、認知的な柔軟性を高め、高齢になっても脳が衰えにくいという研究結果もあります。


* コミュニケーションの重要性: 単に多くの言葉を知っているだけでなく、それを使って積極的にコミュニケーションを取ることも重要です。会話は、聞くことと話すことのバランスが大切で、自分の考えや感情を表現する機会を持つことが認知機能にとって良い影響を与える可能性があります。


* 知的活動としての言語運用: 新しい言葉を学んだり、言葉を使って何かを表現したりする行為は、知的な活動の一環です。こうした活動は「認知予備能」を高めると考えられています。ただし、単に「知っている単語の数が多い」という静的な状態だけで認知症を完全に防げるわけではありません。 重要なのは、その語彙を活かして読書をする、文章を書く、会話をするといった能動的な言語活動を続けることです。


結論として、「知ってる言葉の数が多い」ことが直接的な予防策になるというよりは、豊かな語彙力は活発な知的活動やコミュニケーションの基盤となり、そうした活動を通じて脳の健康を維持し、認知症のリスクを低減することに貢献すると言えるでしょう。日頃から言葉に親しみ、知的好奇心を持って言語活動に取り組むことが、将来の認知機能の維持にとって有益であると考えられます。と考えると色々考えながらブログを書くというのも認知症予防に役立つかもしれません。

 

今日の一句

新しき言葉に出会い胸はずむ めぐる世界にやわらかな風