スン・リー(孫儷)の知性と気品
時代を創る名女優の必見代表作
中国ドラマ界には多くの女優がいますが、その中でもスン・リー(孫儷)は特に際立つ存在です。中国のドラマでは吹き替えが多い中、彼女は自分の声で演技する数少ない実力派。どのドラマも見応えがあり満足するものです。今回は、彼女の魅力と、発表年順に整理した必見の代表作をご紹介します。
スン・リーのプロフィールと演技の魅力
スン・リーは上海出身、1982年生まれ。10代の時に3年間(1997~2000) 中国人民解放軍上海警備区の戦士アマチュア文芸演出隊に所属し、軍事訓練も行いました。精悍な面立ちと、芯の通った迫力ある演技が特徴です。声が大きく目力が特に強いのも彼女ならではです。特に歴史ドラマでは、彼女の知性が最大限に発揮され、複雑なキャラクターを通じて観る者を一瞬でその時代の空気へと引き込みます。
1. 『屋根の上のエメラルド』(2007年)
キャリア初期の貴重な主演作。人気俳優ウォレス・フォと共演した純愛ストーリーです。海南島を舞台に、運命に翻弄されるヒロイン莫家琦(モー・チアチー)を一途に演じています。『宮廷の諍い女』以前の、若々しくも芯の強さを感じさせる彼女の原点ともいえる作品です。
▶ YouTubeで予告編を見る2. 『宮廷の諍い女』(2011年)
アジア全域で彼女の人気を不動のものにした金字塔。清の後宮を舞台に、純粋だった少女・甄嬛(しんけん)が、陰謀渦巻く中で冷徹な権力者へと変貌していく様を圧倒的なリアリティで演じました。ジャン・シンの強烈な悪役ぶりも見どころの一つです。
▶ YouTubeで予告編を見る3. 『ミーユエ 王朝を照らす月』(2015年)
中国史上初の「太后」となった実在の女性、ミーユエの波乱万丈な人生を描く大作。共演のリウ・タオ(劉涛)との演技合戦は必見。楚の公女とし生まれましたが、母を早くに亡くして苦労しました。継母とのやりとりが緊張感があり見所です。純粋な少女時代から、知略を駆使して国を統治する指導者へと成長する姿を巧みに演じ分けました。
▶ YouTubeで予告編を見る4. 『月に咲く花の如く』(2017年)
清朝末期に実在した女性実業家をモデルにした感動作。大道芸人から商家に嫁ぎ、未亡人となりながらも持ち前の知恵で一族を立て直す周瑩(しゅうえい)を熱演。チェン・シァオ(陳暁)との絆、そしてリウ・ペイチー演じる養父とのコミカルな掛け合いも最高です。
5. 『SHADOW/影武者』(2018年) ※映画
巨匠チャン・イーモウ監督作品。実生活での夫であるダン・チャオと共演。水墨画のようなモノトーンの世界観の中、夫と影武者の間で揺れ動く都督の妻・小艾を抑制された美しさで表現しました。彼女の芸術性の高さが際立つ一本です。
▶ YouTubeで予告編を見る6. 『安家 I Will Find You a Better Home』(2020年)
やり手の不動産エージェント・房似錦(ファン・ジンジン)を演じた現代劇の大ヒット作。冷徹に見えて実は複雑な背景を抱える難役を、圧倒的なリアリティで表現。時代劇とはまた違う、現代の働く女性としてのスン・リーの魅力が詰まっています。
▶ YouTubeで予告編を見る(英語字幕)歴史背景の再現と圧倒的な没入感
彼女の作品が素晴らしいのは、文化や風俗の再現度が高い点にもあります。特に『宮廷の諍い女』は本物の故宮博物院で撮影。他の作品も「横店影視城」という世界最大のスタジオで撮影されており、そのスケール感は日本のドラマとは一味違います。こうした細部へのこだわりが、彼女の演技をより一層輝かせています。