月影

日々の雑感

浄土真宗

善導の思想はなぜ日本で花開いた?法然・親鸞への決定的影響

善導の革新的な教えは中国で他宗派に吸収され失速。だが日本では、法然がその教えを「再発見」し、専修念仏の浄土宗を開く。さらに親鸞がその論理を「絶対他力」へと深化させた。時空を超えて日本仏教の基礎となった、善導の思想の壮大な旅路を解説する。

なぜ念仏だけで救われる?善導の「称名正定業」と「機法一体」

善導は、救いの実践を「南無阿弥陀仏」の称名一つに絞り(称名正定業)、なぜなら、その六文字は「助けて(南無)」と「救う(阿弥陀仏)」が一体となった(機法一体)救いの完成品だからだと解明。称えるだけで救いが決定するメカニズムを確立した。

御文章「毎月両度章のこころ」とは?蓮如上人が説く「信心獲得」と集まりの本質

毎月の集まりが飲食で終わっていませんか? 蓮如上人は本来の目的を「信心獲得」のためと説きました 。自力でなく阿弥陀如来に任せる信心 と、救われた後の感謝(報恩謝徳)の大切さを「毎月両度章」から解説します 。

善導の思想とは?「凡夫報土」と「二種深信」をわかりやすく解説

善導の思想の核心を解説。「理論と実践」をセット(五部九巻)にし、凡夫こそ本物の浄土へ行ける(凡夫報土)という革命的教義を確立。さらに「自分への絶望」と「仏への信頼」が一体となる(二種深信)という信の構造を解明。法然・親鸞が惚れ込んだ理由が…

善導とは?法然・親鸞が「恩師」と仰いだ僧侶の生涯と教え

中国・唐代の僧侶、善導の紹介。彼は「南無阿弥陀仏」と唱えれば、煩悩ある凡夫こそ救われるという教えを確立した革命家。その思想は海を越え、日本の法然や親鸞に決定的な影響を与え、浄土宗・浄土真宗の基礎となった。その生涯と功績を解説。

道綽とは誰か? 日本の浄土教(法然・親鸞)の基盤を築いた思想と影響

日本の浄土教の源流、道綽(どうしゃく)。彼は末法の世に「自力修行(聖道門)は不可能」と断じ、念仏(浄土門)こそが唯一の道と宣言した革命家だ。その思想は善導へ継承され、やがて海を越え法然・親鸞に多大な影響を与えた。日本の浄土宗・浄土真宗の礎…

道綽の『安楽集』とは?末法に自力を否定し浄土門を確立した論理

道綽の主著『安楽集』。末法では浄土門が唯一の道であることを、聖典引用で証明した論争の書。「悪は暴風雨だ」という比喩で自力の無効を説き、阿弥陀仏の他力を確立した。

親鸞の7高僧の一人道綽(どうしゃく)とは?末法に『涅槃経』を捨て「念仏」を選んだ僧

隋代のエリート僧・道綽(どうしゃく)が、戦乱と廃仏という「末法」の絶望から、48歳で玄中寺にて回心。自力の『涅槃経』研究を捨て、他力の「称名念仏」を大衆に広めた劇的な生涯と思想の転換を紹介します。

足利義山の「心相覚知説」を深掘り解説 ―「非意業説」の限界と現代的意義

足利義山の「心相覚知説」を深掘り。伝統的な「信心非意業説」(自覚なし)がなぜ「呪術的」と批判されるのか? 河智義邦氏の論文を基に、信心を「仏智の自覚」として捉え直す義山の説を再評価。近代真宗学の核心が現代にどう繋がるかを探る専門的解説。

足利義山の「心相覚知説」とは? 浄土真宗の「信心」と「気づき」を解説

近代浄土真宗の巨星・足利義山は「救いは『覚知』できるか?」という難問に挑みました。絶対他力による信心を、ぼんやりしたものではなく、個人のリアルな「気づき」として捉え直した彼の核心的な思想「心相覚知説」と「いわれ滅罪説」を分かりやすく解説し…

親鸞はなぜ曇鸞を「本師」と仰いだのか?日本浄土教への絶大な影響と現代的意義

曇鸞の思想は道綽・善導に継承され、日本の親鸞に決定的な影響を与えた。親鸞は彼を「本師」と呼び、その名を継承。曇鸞が築いた他力の基盤は親鸞思想の核心であり、自力が重んじられる現代にも通じる智慧を持つ「教義の支点」であった。

曇鸞『往生論註』解説:「他力の信心」と「三不信」、救済の鍵「二種回向」とは

曇鸞は『往生論註』で往生の因は「他力の信心」のみと説く。自力の信は「三不信」として疑いが混じり不完全と分析。五念門は他力の結果であり、「往相」で浄土へ往き、「還相」でこの世へ還り他者を救う(二種回向)という壮大な救済システムを確立した。

曇鸞の核心思想「他力」とは?自力との決定的違いと「船の比喩」を解説

曇鸞は、末法の世では仏の支えがない「自力」での救いは不可能と断言。阿弥陀仏の「他力」こそ唯一の道だとし、価値観を逆転させた。この教えを「自力で歩く難行道」と「他力の船に乗る易行道」という有名な比喩で説き、浄土教の核心を確立した。

中国浄土教の祖・曇鸞大師の生涯。「梵焼仙経」と他力への目覚め

天才学匠だった曇鸞は、病を機に不老不死の仙道を求めた。しかし高僧菩提流支との出会いで「長生」と「無量寿」の違いを悟る。彼は仙経を焼き捨て、「自力」から「他力」へと劇的な転回を遂げ、中国浄土教の礎を築いた。

浄土真宗の「信心」とは?『信心獲得章』を解説|阿弥陀如来に"まかせる"こころと「煩悩を断ぜずして涅槃をう」の意味

浄土真宗の「信心」は、私たちが努力して得るものではなく 、阿弥陀如来の「そのまま来い」という呼びかけ(第十八願)をそのまま"いただく"こころです 。『信心獲得章』に基づき、煩悩を抱えたまま救われる「正定聚」の利益について解説します 。

浄土真宗の「信心の深さ」は「アゴの上げ下げ」であるとは?阿弥陀如来のお計らいと他力の信心

浄土真宗の「アゴの上げ下げの深さ」とは?それは声の大きさや回数といった自力(努力)のことではありません。ただ「南無阿弥陀仏」と称える(アゴが動く)事実そのものが、阿弥陀如来の深いお計らい(他力)が届いた証拠である、という意味を解説します。

蓮如上人の「妻子を導けぬは情けない」という言葉の真意とは?〜御一代記聞書より

蓮如上人の「我が妻子ほど不便なることなし」という言葉の真意を探る。家族を導けという命令ではなく、「宿善なくは、ちからなし」と続く、まず自分自身が救われるべきという深い内省の言葉だった。息子や娘を政略結婚させた蓮如の苦悩と現実戦略も解説する。

【浄土真宗】信心の核心「清浄心」と「決定心」とは? 自力と他力の違いをわかりやすく解説

浄土真宗の「信心」は、自分が努力して信じる「自力」の心ではありません。それは阿弥陀如来からいただく「他力」の心です。この記事では、信心の二つの側面である「清浄心」(仏様の清らかな心)と「決定心」(仏様の力で救いが定まる確実さ)について、そ…

【歴史の逆説】一向一揆の強さの秘密。蓮如が禁じたはずの「善知識頼み」が武器だった?

蓮如は「善知識頼み」を異端として禁じた。だが彼が確立した法主への絶対的帰依は、死後に一向一揆の強大なエネルギー源となった。禁じたはずの信仰が力になった歴史の逆説を解説する。

蓮如上人はなぜ女性に説いたか?「後生」と「平生業成」の真実

蓮如上人はなぜ女性に『御文章』を?「後生(死後)」の強調は「平生業成(現世の救い)」の軽視か。本記事では、上人自身の苦悩の体験を交え、「後生」を「今、解決すべき実存的な問題」と再解釈。「ふかくたのむ(信じる)」とは「まかせる」ことであると…

蓮如上人「三首の詠歌章」の和歌を解説|ひとたびも・つみふかく・法をきく

蓮如上人の三首の和歌を解説。信心は自分の決意でなく仏の呼び声との「出会い」であること。罪深さの自覚と救いが同時に起こり、念仏が「義務」から「感謝」に変わる。「他力」による真の安心を優しく解き明かします。

「煩悩即菩提」と親鸞聖人|第十八願で「除く」とされた悪人が救われる理由を和讃から解説

親鸞聖人の和讃「本願円頓一乗は」を読み解き、「煩悩即菩提」が阿弥陀仏の「摂取」によって凡夫の上で実現するメカニズムを解説。第十八願で「除く」と言われた「悪人」こそが救いの目当てであるという「悪人正機」の思想と、他力による救いの本質を解き明…

「平生業成」と「臨終業成」の違いとは?蓮如上人の言葉に学ぶ浄土真宗の救い

浄土真宗の「平生業成」は、死の不安から解放される教えです。信じられない私をも見捨てず「今、必ず救う」という阿弥陀如来の働きに気づくことで、人生が感謝と安心の道となることを、蓮如上人の言葉から解説します。

あなたの信心は大丈夫? 新「領解文」に潜む、教義を揺るがす深刻な問題点とは

本願寺派の新しい「領解文」がなぜ深刻な論争に?分かりやすさを追求した結果、「自力を捨てる」という浄土真宗の出発点が欠落し、教義の根幹が変質。これがなぜ誤った信仰「異安心」を招く危険な問題なのかを解説します。

「名号」がなぜ「行」なのか?浄土真宗の教えを初心者向けに解説

「南無阿弥陀仏」の名号は、私たちを救う阿弥陀仏の完成された「行」そのものです。自動運転車の例えで、なぜ名号が「行」であり、私たちが称えるお念仏もまた阿弥陀仏の働きであるのかを解説。自力ではなく他力によって救われる浄土真宗の教えの核心を、分…

【私論】なーまんだーぶは、機法一体を表す。なぜお念仏を区切らずに称えるのか?

蓮如上人の「唯能常称章のこころ」に基づく【私論】。念仏を「なーまんだーぶ」と区切らず称えるのは、機(私たち)と法(阿弥陀仏)が常に一体であるという浄土真宗の核心「機法一体」を表す。信心さえ如来の回向であり、称名自体が如来の喚び声であるとい…

『歎異抄』第九章をわかりやすく解説|なぜ喜べないのか?親鸞の答え

『歎異抄』第九章を基に、「救われると分かっていても喜べない」という心の謎を解説。親鸞の教えは、その不完全さこそが人間(凡夫)の真実の姿であり、阿弥陀仏の救いはまさにその者のためであったと示します。不完全さの中に見出す、本当の安心の形を探る…

【解説】法蔵菩薩とは?阿弥陀仏の本願と信心のつながり

法蔵菩薩は阿弥陀仏の修行時代の姿。その「必ず衆生を救う」という誓願は、遠い神話ではなく、今あなたの内で働く信心の源泉です。なぜ念仏を称えるのか、その深い意味と内なる働きを解き明かします。

「安心」とは何か?妙好人・清九郎に学ぶ浄土真宗の他力信心。「他人ごと」の境地を分かりやすく解説。

妙好人・清九郎の言葉から浄土真宗の本当の「安心」を解説。自力で不安を消そうとするのではなく、ありのままの自分(凡夫)を認め、救いを阿弥陀仏の「願い」として「他人ごと」と捉えることで得られる、真の他力の信心とは何かを分かりやすく紹介します。

蓮如上人が説く「機法一体」の教え:自力心を捨て他力信心を得る南無阿弥陀仏の真髄「唯能常称章」

蓮如上人の「唯能常称章のこころ」は、自力心に苦しむ凡夫を他力信心へ導く教えです。南無阿弥陀仏の六字は、阿弥陀如来の願行がすべて成就した名号であり、私たちの信心さえ如来回向である「機法一体」の救いを説きます。念仏は、如来の「喚び声」を聞き、…